先日、ふとJR時刻表を買ったら、付録に「全国駅弁の旅」というのがついていた。 「お、なんかいいオマケがついてきたなー」 と思ってなにげなく読み始めたのがいけなかった。 心の奥底で眠っていた“駅弁欲”に火がついてしまったのだ。メラメラメラメラメラ、パチパチパチパチパチ…
というわけで、この欲望の炎を鎮めるため、私は駅へと向ったのであった。
るというではないか。さっそく申し込んで、行って来た。
(text by T・斎藤)
誤算
車通勤をしている私は、普段電車に乗らない。 とりあえず気分を盛り上げるため、電車に乗って駅弁を買いに出かけた。が、うっかり特急ではなく普通の快速に乗ってしまい、満員で座れず。駅弁気分を盛り上げるどころか、通勤気分を味わうことになってしまった。
思えば、長崎に住むようになって今年で7年目だが、長崎の駅弁について、よく知らない。これを機に地元の駅弁について理解を深めたいと思う。
終点の佐世保駅に到着。ここで駅弁を入手したいと思う。 さっそく駅弁コーナーへと向った。
これがJR佐世保駅の駅弁だ!
うまそう! 「あごめし」というのが有名駅弁らしい。「あご」とは方言で、トビウオのことを言う。がこの日は売り切れていて無かった。
そして私が買ったのはこちらだ。
レモンステーキとは(以前にもちょっと書いたが)、佐世保の名物で、レモンを焼いたものではなく、レモン汁入りのソースをかけて食べるステーキのこと。
ちなみに、同行していた娘はこちらを食べた。
・レモンぽさが低い。焼肉弁当と言われても納得してしまいそうな感じ。 ・やっぱり普通にレストランで食べる焼き立てのレモンステーキの方がうまい。 ・と言いつつも、久しぶりに食べた駅弁に、駅弁欲は満たされ心は満足。良くも悪くも、「これぞ駅弁だ!」と思った。
長崎駅に戻り
炎のように渦巻いていた駅弁欲はほどなく満たされ、無事長崎駅に戻って来た。…と思いきや、 「長崎駅にはどんな駅弁があるんだろう?」 とか考えているうちに、またグラグラと煩悩の炎が再燃し始めた。おかしい。だってさっき食べたじゃないか。
仕方がないので、今度は長崎駅の駅弁を食べることにした。
これがJR長崎駅の駅弁だ!
購入したのは、以前特集記事として書いたこともある長崎名物トルコライスを駅弁で再現した「トルコライス弁当」。
・トルコライスもまた、店で食べた方が断然おいしいと思った。 ・でも、車中でトルコライスを楽しめるようにした点は秀逸。満足度高い。 ・駅弁の規格を超えてるんでは?と思わせるほど箱が大きい。 ・個人的には和華蘭弁当の方がうまいと思った。 ・駅弁欲はかなり満たされた。
それから
こうして、駅弁欲に苛まれる日々も去り、無事平和が訪れた。
…はずだったのだが、どういうわけかその2、3日後、またしても駅弁を買いに行ってしまったのだ。おかしい!どうなってしまったんだ。
で、買ったのが、長崎名物の卓袱料理を再現した、その名も「卓袱弁当」。
卓袱料理とは、円卓で食べる形式の和洋中をゴチャマゼにした長崎独自の料理で、本来は高級料亭とか結婚式でないと食べられない高級料理。
・本物の卓袱料理とはだいぶ違う。 ・駅弁の規格を超えてるんではないかと思わせるサイズ。 ・卓袱料理を意識しなければ普通においしい。 ・駅弁欲はさすがにもう存分に満たされたんではないかと思う。
小悪魔的な不思議な魅力
改めて駅弁を食べてみると、やっぱり ・ちょっと小さくて ・そのわりに値段が高めで ・冷めてるなどのデメリットあり と、正直あまり良いところがない。
が、にもかかわらず少しするとまた食べたくなってしまう。 今もまた、全国の有名駅弁を食べ尽くす旅に出たいなどと想像を膨らませている。
なんなんだろう、この魅力は。