浦山ダム
松本さんと「橋っていいですよね」などと会話をしていると浦山ダムに着きました。
浦山ダムは、秩父市からも近い荒川の支流に設置されている重力式コンクリートダムで、高さ156mは日本のダムで4位タイ。主な役割は洪水調節、上水道用水の確保と発電。まだ完成してから10年弱と新しく、ダム本体や周辺設備は非常にキレイです。
関東地方ではもっとも高いダムで、全員に説得されて堤体から下を覗き込んだ住さんの悲鳴も一段と大きく響き渡ります(デイリーポータルZテレビ参照)。しかし、それよりもとにかく風が強い!
もし下を覗いていて足を滑らせたとしても、メリーポピンズのように舞い上がって戻れるんじゃないかと思うほどの強風で、目も鼻も辛くなってきました。早くダムの下に降りましょう。この先にエレベーターがあるんですよ!と案内して乗り場までやってきたのですが。
頭の中が真っ白になりました。
ナゼ、エレベーターノシャッターガシマッテイルノカ?
今日は定休日じゃない。昨日ホームページで確認した。 地震も起きていない。ダムは震度4以上で緊急点検が行なわれるはずだが静かだ。
本当に申し訳ないのですが、このあとの僕は自分でも驚くほどのテンションの下がりようでした。だってハッキリ言ってここ今日のメインイベントだぜ?下からみんなで見上げて「でけー!」という写真を撮るためにここまで来たんだぜ?
まるでボブサップがドタキャンした試合を観に来た観客の心境。
エレベーターは強風の影響で臨時休業でした。
仕方ないので隣接するレストランで昼食にすることになったのですが、落ち込みが激しい僕に影響されてか、みんな無言で黙々と食事を口に運びます。
滝沢ダム
お腹も満たされたし、気を取り直して次のダムへ向かいましょう。行き先は滝沢ダム。今年中の完成を目指して建設が進められている、これも重力式コンクリートの多目的ダムで、現在は本体工事がほぼ終了し、試験的に水を貯めて強度や機能の確認が行なわれている段階です。まだ堤体の上に立ち入ることはできませんが、下流側に巨大なループ橋があり、そこからダムを正面に観ることができるという非日常なポイントにご案内します。
橋の途中に設けられた駐車場から歩道を通ってダムの正面まで歩きます。しかしこの歩道、ダムとは反対側になるループの内側にしか設置されていません。ダムが見える外側は、車道と柵の間の僅かなスペースしかないので十分注意が必要です。まったく、この橋造った人は何が重要なのかをぜんぜん分かってません。
正面から見えるのはこんな光景。この橋の上も高さが100mくらいあるのでかなりの絶景です。でも連続してダムをめぐっているせいか住さんは少し慣れてきた様子。 きっと放流する時はこの橋の上に見物人が目白押しになることでしょう。今のうちに場所取りの印でもつけておこうかと思ったのですが、何だか寂しいのでやめました。
林さんがループの反対側まで行って、ダムと僕たちを入れた記念写真を撮ってきてくれることに。ループ橋をどんどん登って行く林さん。何かジェスチャーをしているようですが米粒のような小ささなので分かりません。とその時、向こうの橋にいる林さんから写メールが!僕たちも小さすぎてさっぱり判別できませんが、遠くに見える人とのメールやりとりって何かおもしろい。トランシーバーのようだけど、ちょっと違う。
その後、少し上流に行ったところにある滝沢ダムの資料館へ向かいました。ダムの模型や、建設開始の時からの定点撮影の写真とかあるんですよ、なんて説明して駐車場に車を停めたとたん、係のお姉さんが資料館のシャッターを降ろして店じまいをはじめました。「めんどくさい集団が来た!」と直感されてしまったのでしょうか。
うーん、確かに閉館時間の直前だったけど…。あと5分でも早く来れてれば、と後悔。なんだか今日は完全に歯車が狂っています。これだけダムめぐりしていて、ここまでダムに嫌われたのは初めてだ。