地図を巡る攻防
地図関連グッズだけではなく、もちろん地形図や地図データも販売している。大嶋さんがこれいま売れてますよ、と見せてくれたのは活断層図。
住宅地に活断層が通っているのがはっきりわかる。あわてていま住んでいる場所の地図を見たが通ってなかった。よかった。やっぱり家を買う人が買っていくことが多いそうだ。
「不動産屋さんは嫌がりますけどね」
とのこと。いや、活断層マニアはわざとその上にある物件を買ったりするかも…ないですね。でも近くにあったら見てみたい。マニアって僕のことですね。
地図センターでは地図の他に航空写真も販売している。日本では航空写真を誰にでも販売しているので(秘密にしたい場所が写っているため販売を制限している国もある)、冷戦時代にソビエト大使館の職員が買いに来たこともあったそうだ。しかも自衛隊施設の航空写真を。
「そのあと公安の人が来て、いまなに買っていったか聞かれましたよ。ははは」
そんな映画みたいな駆け引きが地図センターで行われていたとは。ぜひ手ぬぐいも買っていって欲しい。
いまでは航空写真は民事裁判の証拠品として使われることが多いそうだ。争いごとがおきた場所の状況がわかるかららしい。
楽しいものとして見ていた地図の大人な一面をかいま見た気分だ。
気を抜くとなんでも地図
しかしこのお店、いろんなところに地図がちりばめられているのだ。値札、包装紙、地図力検定試験の認定証。気づけば地図だ。
包装紙は地図センター周辺の1万分の1地形図である。店の案内に地図を入れるのは当たり前だが、地図そのものを包装紙にしてしまうところが地図のサンクチュアリというか、機械の体がタダで手に入る星である(いつもの例えですまん)。
認定証の背景の地図は富士山である。頂点だから、という意味だそうだ。 |