いちご大福のほろ苦い思い出
平成の今こそ"いちご大福"はひとつの固有名詞として認識されていると思いますが、私がはじめて耳にしたときは
「いちごとっ!?大福がっ!?」
まさかウソでしょうっ!?
そんな衝撃だったのです。
世間でモテはやされようとも、けっして手を出さなかった私が、その未知なる物体を味わったのは、初めて訪れたお仲人さんのご自宅でした。
漆の小さなお盆に乗った"いちご大福"を、罰ゲームのような屈辱的状況下で食べたときのあのおいしさ。度肝を抜かれたものです。
若き日の私は、「邪道ですから……」とお断りする勇気はありませんでしたが、「もっと下さい」という厚かましさは持ち合わせていたようです。ぜんぶで4つはいただいたでしょうか……。
そういえば、数週間後に婚約破綻した原因がそのへんにあったのかもしれません。 |