松虫寺に到着。
なんとか松虫寺に到着した。
地元の人以外はめったに人が通らないところを通ったためか、一度すれ違った人がちらちらと僕を見ている。でも僕が「松虫寺ってどっちですか?」と聞くと親切に教えてくれた。
松虫寺とは、奈良時代の聖武天皇の娘である、「不破内親王」の遺骨を納めた場所として知られている。不破内親王の別名を「松虫姫」と言った。
言い伝えによると、松虫姫は何度か都を追放され、そのうえ重病にかかってしまう。ところが、姫の夢の中に薬師如来が現れ、現在の印旛地方に来れば病気を治してあげる、と言われ、この地で療養し、回復したのだそうだ。
そのことから、この寺を松虫寺と名づけ、近隣一帯を「松虫」「松虫姫」と呼ぶようになった。
そして、この松虫姫の名前は、1200年の時を経て、新興住宅地を走る鉄道の終着駅に使われたということだ。そう考えると、なんて不思議な運命なのだろう。1200年前、まさかここが東京のベッドタウンになるだなんて、神様でも考えなかったに違いない。
松虫姫とは、由緒正しき地名だったのだ。そういえば最近僕も体調がよくないので、松虫寺にお参りを行うことにした。
さっきは観光スポットなんてない、なんて書いたが、すみません、浅はかでした。松虫寺は良いお寺です。
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