「くるみのオイルですよ。 ……香ばしいっすね。ゴハンと醤油には、合うねえ」 「醤油焼き飯、みたいな味ですね。あと、梅干しの種の味がする!」 「え、梅干し!? 木の実だからかなあ。私は全然、そんな感じしないけど……ま、和風でまとまってるから、いいかな、って感じでしょうか」 「なんですか、その適当なまとめ方は」 「うー、似てるのか似てないのか、分からなくなっちゃった。 じゃあ、ちょっとここで一発、比較用に、こっそり持ち込んだ生卵を……。
ゴハンに投入しますよ、
よいしょっと。」
「持ち込みタマゴ……なぜかすごく、後ろめたい気分になりますね」
「隣の席で、ものすごくエロい話をしてる横で、生卵をカウンターにぶつけて、こっそり割ってるってのも、変なシチュエーションですわ」
「歌舞伎町、人生いろいろ、って感じですかね」
「……で、あらためて卵かけごはん食べてみると……。
あれ、あれれ、やっぱ似てる! 似てるね、油×しょうゆゴハンと!」
「そうですね。……でも、『惜しい!!』っていう、感じですね」
「惜しいですねえ。しかし、昔流行った『プリンと醤油でウニの味』みたいなネタより、全然ちゃんと似てますよ!」
「ですね」
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