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ちしきの金曜日
 
メガネを売ってる城・パリーミキ巡礼
 


 「パリーミキ」というメガネチェーン店がある。北海道から沖縄まで全国展開しているので、ご存知の方も多いと思う。

 パリへのぼんやりとした憧れと、メガネを欲する気持ちとを同時に満たす店、パリーミキ。小さなパリが日本中に散らばっていて、そこではメガネが買えるのだ。

 そんなパリーミキ、店構えを意識してご覧になったことがあるだろうか。そう、ことごとく城の形をしているのだ。

 前々から見かけるたびに気になっていたその城っぽさ。今回は気が済むまで関東近郊のパリーミキを見て回ってきました。

小野法師丸



●メガネとパリとの融合

  なぜだか城っぽいメガネ屋さん、パリーミキ。まずはそのベーシックなたたずまいをご覧いただこう。


茨城のモンパルナス・水戸赤塚店

 スタンダードな中型店として、ここでは水戸赤塚店を挙げてみた。どうだろう、メガネ感を強調することの多い他のメガネチェーン店と比したとき、はっきりと一線を画すこのおしゃれ感。

 左右に見える2つの塔が、単なるメガネ販売店からそれを城にさせる。メガネを超えた美しさがそこにある。

 このように、正面から見たとき塔が2つ見える状態の店、すなわちツートップタイプは、今回の巡礼でも多くの店で見られたものだった。


気軽に行けるエッフェル塔・笹目店
ワン&オンリーで攻めてくる

 この笹目店もツートップの代表的な店舗として挙げられる。水戸赤塚店と比べて大型で、それゆえに3階建てに見えるようになっているのがおかわりだろうか。塔の部分の窓が3段になっているのだ。

 加えて、正面には「世界にひとつ あなただけのメガネ作り」というアピールもある。かけがえのないメガネがそこに約束されているのだ。

 もちろん、実際の鑑賞時は正面以外からも楽しんでいただきたい。


箱っぽさを感じられる角度から

 より立体感を感じたいならば、角度をずらして見るのもいいだろう。正面からの威容だけでなく、容積のある建物としての存在感を感じることができる。


オペラ座の香り・上尾店
モンマルトルの丘より・北上尾店

 飽きのこないオーソドックスな姿の上尾店(写真左)、明るいオレンジの屋根が印象的な北上尾店である(同右)。

 それぞれ趣きがあるのだが、よくご覧いただきたい。左の写真では「パリーミキ」、右の写真では「パリ ミキ」となっていることにお気づきになるだろう。

 もちろんこれらは別々のチェーンではない。同じ系列の店であるはずなのだが、微妙に表記が違うのだ。

 軽やかさ重視の「パリーミキ」、それに対しきっぱりとした意志が感じられるのが「パリ ミキ」だろうか。この問題については後述もするが、この記事でははっきりとした答えは得られないので、見る方それぞれに解釈していただきたいところだ。

 ここまで見てきた明るい日差しの中のパリーミキもよいのだが、時を移すとまた味わいが変わる。


パリの街並みのともし火・上木崎店

 暮れゆく空と対照的に、ぽっと灯った光が映える上木崎店。あたたかい光が店内のメガネを照らし出す。

 さて、これまでスタンダードなパリーミキをご覧いただいてきたが、特徴的な意匠が施されている店もある。


ネオジャパネスク・北小金店

 千葉県松戸市にある北小金店がそうだ。一目見ておわかりになるだろう、一般的なパリーミキらしからぬ、大きなメガネ柄が描かれているのだ。

 独特の柄がありながらも、建物全体の城っぽさは決して崩すことはない。典型と個性とを両立したパリーミキと言える。

 さらに注意していただきたいのは、メガネマークの下部、青地に見える部分の模様だ。他の店と比べてみよう。


パリへの憧れを煽る凱旋門(笹目店)
なんで松なの?(北小金店)

 いかがだろうか、これまで紹介してきた店舗は凱旋門やエッフェル塔などのパリのシンボルを描いているのに対して、北小金店は、松なのだ。

 和と西洋との絶妙なバランス感覚と言うべきか。個性派店舗ならではの感覚であろう。


 

 
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