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ひらめきの月曜日
 
エスカルゴの殻の有効活用術

本当にやりたかったこと

我々日本人は、料理における演出を大切にする、と言われている。懐石料理に代表されるように、器にこだわり、季節感を表し、とにかく目で楽しませようとする。つまり、盛りつけ方次第で料理がいかようにも変化することを知っている民族と言えまいか。

そこで、このエスカルゴの殻だ。

「ここに、エスカルゴ以外の物を入れたなら一体どういうことになるんだろう。高級感は損なわれずに済むものなのだろうか」と、スーパーでひと目見た時から思っていたのだ。器の意味とは。そしてその効果とは。

…まぁ、なんだかんだ能書きを垂れましたが、簡単に言ってしまえば「ここに他の物を詰めたい!」という欲望に駆られてしまったんですね。


たとえば、こういうことです。

いきなりチクワを詰めてみて驚いた。…すごい。台無しだ。高級感ゼロ。一体どんな生物か、とすら思う。でも、いつもは詰められる側のチクワが今回は攻めの立場に出たぞ!と思うと、少し楽しい。

演出にこだわる国民性と先に書いたが、こういうことを意味するものでないのは重々承知しております。でも、どうしてもやらずにいられなかったんです。

えー、続けます。


蛸壺か!
晩酌のアテに食べたイカ刺はどう変化するんだろう
えーい、エビも入れてしまえ
おお、うずらの卵がスッポリと!

楽しい。本来ならあり得ない組み合わせの物ばかりだが、「これはどうだろう…」と思う物や「これはアリだ!」と思う物がハッキリしている。殻が貝を連想させるせいか、やはり魚介類との相性が良いようだ。

他にもシウマイを詰めたりしながら、なんちゃってエスカルゴの一皿が無事に完成した。


殻が傾かないように、粗塩を敷いた上に乗せます

本当のエスカルゴと同じように、オーブンでじわじわ焼いていく。味付けも、ニンニク入りのバターを使った。

さて、焼き上がったようですよ。


…ど、どうでしょうか?

やはりチクワが異彩を放っているが、それ以外は悪くない…と思う。

「エスカルゴは高級品だから」という刷り込みによるせいか、ウズラの卵やシウマイまでもがワンランク上の食べ物に変化したように感じられてならない。

とにかく、全体的にそんなに突飛な出来ではないと思うが、どうお思いになりますでしょうか。


だってほら、おいしそうでしょう?
こういう料理、ありそうだもの。

予想としては「いくらエスカルゴの殻を使ったからといって、ダメなものはダメなのですね」というオチになるのかと思っていたが、意外や意外、皆それなりに居心地が良さそうである。

だって、こうですよ?


「ここに住みたい」とウズラの卵。
肉詰めにタブーはないのか。
その曲線に、内部の様子が窺える
「バターの海がたまりませんでした」イカ談。

本物のエスカルゴもおいしかったが、普段食べ慣れている物も勿論おいしかった。ニンニクバターがそれぞれに合って、おいしさに拍車をかける。醤油をひと垂らししたなら、さらに最強だろう。

殻が余ったので、こんな物も作ってみた。


デザートとして、プリンです。
味は普通です。

さすがにこれは見た目がNGだろう…と思ったが、妙にかわいく思えるのは何故だろう。小ささがポイントか。

「やっぱり食べ辛いな。こりゃミニスプーンが必要だな」と思いながら殻をいじっていたら、いきなり中身がツルンと出てきた。スプーン不要。


中はこんな形になっているのですね

楽しみました

本文中にも書いたが、この欄には「器はそれに合った物を使いましょう」というような内容のことを書くものとばかり思っていた。「いくらエスカルゴの殻を使ったって、高級感など出ません」と。

しかし、妙にハマってしまった。「金持ちケンカせず」の格言通りと言うべきか、エスカルゴの殻の余裕っぷりを見せつけられた思いがする。

ということは…だ。味はイマイチでも、器にさえこだわれば、料理というのはなんとかなるのではないか、と。見た目で、ある程度味を補えるのではないか、と。

そんなことを思ったりしました。

殻を捨てるのが忍びない

 
 
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