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ひらめきの月曜日
 
肉まんが高級になってゆく登山


標高271mの肉まん 中村屋「黒豚肉饅」
 300円(税込み315円) 135グラム

他の肉まんよりも一回り外周が大きいが、高さはあまりなく平べったい。

これまでかたくなだったあの中村屋独特の味つけがここにきて変わった! 黒豚に合うよう、醤油ではなく塩味にしているらしい。なるほどさっぱりしている。

具も、大きくはないが肉のやわらかい筋を感じる。これまでの肉まんとは別路線といってもいい味わい。


岩場を登ると、すぐ目の前に山頂の看板が見えた


うまい

肉まんが身についた

ぶはー。

登山と肉まんというと行為と食べ物の組み合わせとしてはあまりポピュラーじゃないが、かなり合うんじゃないか。手軽だし、冷めてもわりといける。

山頂には平日の昼に意外にも先客が何人かいたが、肉まんを食べる私たちは自慢するような気分だった。

さて、高い肉まんのありがたみを体で感じるというのが今回 食べ比べに登山を引っ張り出してきた理由だったわけだが、これについて気づいたことがある。

登頂には当然時間がかかる。登る前に食べるのと、登頂したあとに食べるのとでは、時間差がかなりあるわけだ。

つまり、高い肉まんほど、食べるのが後回しになるのである。なかなか食べられないのだ。

手ごろな価格の肉まんを乗り越えなければ見えてこない高級な肉まん。積み重ねて得た高級肉まんは、鍛錬して身につけた能力のようだ。

山に登りながら徐々に高い肉まんを食べると、「肉まんが身につく」といえるのではないか。


「肉まんが身に付く」ってそれは一体どんな状態だ。

興奮して山頂で考えたことを、冷静に突っ込みながら下山していった。そんなことより、肝心の食べ比べはうまくいったのだろうか。

普通、何かを食べ比べるときは口を水でゆすぎながら交互に食べたりする。今回は単品食べては山を登ったため、各肉まんを食べる間に時間があった。

事前に心配だったのは、山なんか登ってたら余計味比べができなくなるんじゃないかということだった。が、思い返すと、思いのほかちゃんと食べ比べられていた。じっくり丁寧に味を思い出しながら食べたからか。じっくり肉まんを味わえた。

なんだかやっぱり、登山は「肉まんが身に付く」のかもしれない。

自宅からは水筒でお茶も持参。山はいい。


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