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ロマンの木曜日
 
何を見ても笑える笑い屋さん
テレビのバラエティ番組などで耳にするおばちゃんの笑い声が気にかかる。笑い屋さんという人たちの笑い声らしいのだが、本当にそういう人たちがいるのだろうか。実在するとしたら、どんな人たちなのか。

色々と気になったので、笑い屋さんを探してみる事にした。


(text by 住 正徳



笑い屋さんを探せ

しかし、笑い屋さんを探すのは中々大変だったのだ。ネットで「笑い屋」と検索してもそういう名前の飲食店ばかりが表示されてしまい、タウンページにも「笑い屋」という項目はない。きっと「笑い屋」という職業は存在しないのだ。

だったら、あのおばちゃんたちは何者なのか?

テレビ関係の仕事をしている友人に相談すると、エキストラを派遣する会社に聞いてみたらどうか、とアドバイスをもらった。

いくつかの会社に問い合わせて最終的に行き着いたのが、「アプローズ」という芸能プロダクションであった。ドラマやバラエティ番組にエキストラや観客を派遣している会社である。電話で問い合わせると、派手な笑い声で番組を盛り上げるおばちゃんも多数在籍しているという。そういう人たちの事を通称・笑い屋と呼ぶらしい。やった。

事前に2名の笑い屋さんのプロフィールを送っていただき、1人選ぶように言われた。一人は59才の女性で、もう一人は66才の女性だという。


笑い屋さんのプロフィール

プロフィールを見ても良く分からなかったのだが、何となくパンチのありそうな59才の吉田さん(写真左)にお願いする事にした。

笑い屋さんがやって来た

そして約束の日、笑い屋さんが僕の事務所にやって来た。


笑い屋さん

笑い屋の吉田洋子さんである。奇麗にお化粧をしていてファッションも上品だ。普段から良く笑っているからだろうか、実年齢よりも若く見える。

最初に、笑い屋さんとしての経歴を伺った。

-- 今までに笑い屋として観覧した番組を教えてください。
「ほとんどのお笑い番組は行きましたよ。さんまさんの番組とか、爆笑問題の番組とか、笑金(笑いの金メダル)とか」

-- エンタの神様とか?
「あれは年齢制限があって入れないんです。笑金も最近55才までになっちゃって、ダメになりました。ギャハハハハハ」

あっ、素で笑った。「年齢制限」と、自分で言ったのがおかしかったのだろうか。あまりにも楽しそうに笑うので、こちらもつられて笑ってしまう。


笑い屋さん

-- もともと笑い上戸ですか?
「ええ、それはもう。家にいてもちょっとした事で笑いが止まらなくなります。ギャハハハハハ」

あっ、また笑った。再び僕もつられる。

「小堺さんからも、そんなに面白い?って聞かれたりして、一度笑い出すと大変なんです」

サイコロトークの番組で笑いが止まらなくなり、司会の小堺さんから突っ込まれた経験があるという。

-- バラエティ番組以外の仕事もありますか?
「通販番組とか、良く行きます。わぁー凄い!とかそういう合の手を入れて」

-- 通販番組でも笑いますか?
「ええ、必要があれば笑いますよ」

-- 実際はそれほど面白くなくても、笑うんですよね?
「ええ、前説の方に笑うように言われますから。つまらないギャグでも笑います。ギャハハハハ」

 

笑っていただきましょう

ここまででも既に何度も笑っている吉田さんだが、テレビ番組でするように笑ってもらう事にした。


テレビ的に笑っていただく

お笑い番組ではなく、普通のテレビ番組で笑えるだろうか?

ちょうどこの時、テレビでは料理番組がやっていた。レシピはアスパラハンバーグ。この番組でも笑えますか?

「もちろん。じゃあ、笑いますね」


料理番組でも笑える

アスパラハンバーグの作り方を説明する番組である。笑いどころは一切ない。
それでも吉田さんは笑えるのだ。その様子を動画でご覧いただきたい。


動画:料理番組で笑う。


最初は穏やかで徐々に爆笑に変わっていく、というパターンだそうだ。吉田さん曰く、最初は嘘で笑っていても途中から本当におかしくなってしまうのだという。ハンバーグで笑ってる自分がおかしくて笑ってしまう。そこから笑いが加速していき、あとはもう止まらなくなってしまうのだ。まさに笑いのドミノ倒し、誰かが止めるまで吉田さんの笑いは止まらない。


いくらでも笑える

引き続き、「食べ物」で笑っていただこう。




 

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