神奈川在住の友人夫婦から、「高知県の四万十川近くにある、古民家を貸し切りにできる宿へいかないか」とのお誘いを受けた。
高知県、確か四国だったような。
四国という場所は、ライター岸川さん以上にチンプンカンプンでピンとこないのだが、以前にもそこに泊まったことのある友人の話によると、その古民家には五右衛門風呂やら囲炉裏やらが備わっているそうで、どう考えても楽しそうだ。
囲炉裏でやってみたいことがあるし、ちょっといってこようかな。
(text by 玉置 豊)
四国って遠いんですね
古民家に泊まると最初聞いたとき、「公民館」と聞き間違え、なんで高知県までいって公民館に泊まらなければいけないんだろうと不思議に思った。
そんな古民家、どこにあるのかなあとの地図検索で調べたら、ただでさえ遠い四国の中でも、さらに東京から一番遠い場所だった。
遠い。
ぱっと見た限りで東京から1000キロくらい離れている。
しかし遠いといっても所詮日本、飛行機使えばすぐ着くだろう。
でも今回の旅は全行程が車だ。
仕事帰りにそのまま神奈川の友人宅に集合し、そこから大人6人乗り込んだ車は、夜の高速道路を西へ西へと延々進む。
今回のメンバーのうち、4人は数年前に目的地である古民家に泊まったことがあり、その時も車でいったそうだ。元気な人達だ。
ちなみに、参加者全員、車の免許を持っているのだが、車の保険の関係で、運転できるのは年長者の二人だけ。
なので若輩者の私は後部座席でうたた寝だ。
ごめんなさい。
四万十川到着
神奈川を出てから実に14時間、ようやく高知県は四万十川に到着。遠かった。
14時間もあれば、飛行機でアメリカでもヨーロッパでも世界中の大抵の場所にいけるけれど、我々一行は14時間かけて未だ日本だ。
日本って自分が思っていたより広いや。
まだ宿のチェックインまで時間があったので、四万十川に掛かる沈下橋という、増水すると川に沈む橋のたもとで一休み、というか一遊びする。
川の水が冷たい
今回四国にいったのは九月末で、もう川の水温もだいぶ下がっていたのだが、ここまで運転をして疲れ切っているはずのKさんが、「四万十川まで来て川に入らなかったら負け!」とばかりに、俺は泳ぐと言い出した。
私は水が冷たいとかいう以前にカナヅチなので、とりあえず足だけ四万十川の清流に浸かってみた。
やっぱり冷たいって。
しかし、さすが四万十川、踏み入れた私の足に、小魚がたくさん集まってきた。
おお、これがクレオパトラが愛用したというドクターフィッシュというやつか。
「小魚が集まってきて楽しいね!」と、同行者達に同意を求めたら、「いや、集まってこないよ。魚は逃げるでしょ、普通。」と全面否定された。
魚が集まってくるのは、どうやら私だけらしい。私の足からは、そういうフェロモンがでているのだろうか。今後は、サメのいる海にはいかないようにしよう。真っ先に食われそうだ。