夜も更けて自転車でめぐるのも疲れてきた。日本には八百万の神がいるということになっているが「跨線橋下公園専門の神様」はいないのか。いたらそろそろひとつたのむよ。
目当てのものがみつからずに疲労だけが増してゆき、出発時の高ぶりも冷めてしまった。そんなときふと「なんでぼくこんなことやってるんだっけ」と我に返ってしまうのはデイリーポータルの取材では毎回のこと。
そんなふうに心がくじけてしまいそうな夜。ようやくめぐりあえたのが、彼女。ああ、ぼくはきみに会うために生まれてきたんだと思うよ。
ひとりでフィーバーして申し訳ない。しかし、大きすぎず小さすぎず、いかにも「跨線橋」といった風情の物件の下に、公園の見本のような遊具のラインナップ。そしてまわりは町工場。どこをとっても一級品の「跨線橋下公園」である。ファンタスティック。
そしてさらにもう一つ見つけた。
独りよがりの情熱と「公園のはず」という勝手な思いこみで駆け抜けた今回の旅。公園の例はそう多くはなかったものの「やはり」と言えるだけの物件を発見できてひじょうに満足だ。
右は工事中の跨線橋下。遊具設置をすると高らかに宣言がなされている。今後も「誰も遊ばないだろう」という公園が増えていくことに期待したい。