そうして30分後。ひゅー。秋の冷たい風が、私のほほをなでていた。
カバは、いなかった。
そうなのである。野毛山動物園同様、この千葉市動物公園もカバを飼育していなかったのである。
もう一度言うが、私は前日インターネットでカバの情報を集めた。そうして、多分どこかで何かを勘違いしたようだ。
なんというか、実はこのとき泣いていた。自分の失敗で泣くとは始末に終えないが、いると思っていた生き物がそこにいないという悲しさは、悲しさに寂しさが伴うので力が強い。カバ、いないんだあ。よよよ。
そうして、知らず知らずのうちにレッサーパンダの前にたどりついた。 |