輪ゴムを見るたびに思う。「なんて個性の無い奴らなんだ」と。
いや、工業製品だから長さや細さがすべて同じなのは当然なのだが、逆にそこには人の手のぬくもりというのが失われているとは思わないだろうか。思いますよね。
そう思ったのと同時に、身近にいい材料があったので、手作り感あふれる輪ゴムを生産してみました。
(text by 藤原浩一)
手作り風輪ゴム
手作り輪ゴムを作るための材料とは、この骨盤ゴムバンドだ。これは、腰にぐるぐる巻き骨盤をしめることによって腰を楽にする、という超革命的商品である。普段から姿勢が悪いぼくもこれを愛用している。
これをよくよく見てみるとチューブの直径が輪ゴムと同じではないだろうか。チューブの口を見るとよくわかる。 これをちょうどいい細さに切れば、手作りというほどでもないかも知れないが、味のある個性的な輪ゴムとして使えるはずだ。
さらにこのゴムバンドを常に腰に巻いておけば、急に輪ゴムが必要になったときでも切り取って使うことが出来る。
例えば出先でノートにメモを書いているとき(このときはフジワラFMのネタ考えていた)に、ついうっかり筆入れを忘れてしまった場合だ。筆記用具がバラバラになってしまうので、そのままかばんに入れることはできない。
どうしたらいいんだ!
そういうときは腰に巻いてあるゴムバンドをとりだせばいいのである。
また、このように困ったときに便利というだけでなく、必要なときに切り取ることこそ手作り風輪ゴムの良さと言えるかもしれない。
本物志向の人が刺身を食べるとき、チューブのわさびを使わずに、必要な分だけそのときにすりおろして使うのと同じだ。輪ゴムも必要なときに必要な分だけ切り取って使うのが、「通」というものなのです。
やはり前もって切っておいたほうが便利
とまあ、必要なときに必要なだけ輪ゴムを切り取る良さを簡単に説明したのだが、いろいろな場合を想定してみるとやはり前もって切り取っておいた方がいいときもある。
こんなとき、無力な自分にもできることと言えば、たったひとつだけ。そう、ゴム鉄砲で犯人をけん制することだけしかできない。
だが、しかし、こんなとき悠長にゴムをその場で切り取っていたらどうなるだろうか?
そういう理由で私は、手作り風輪ゴムを普通に売られている輪ゴムと同様にたくさん作っておくことにした。よく考えたら輪ゴムはわさびと違って、あらかじめ用意しておいても劣化しないのであった。
さすがに紙よりは切りづらいので、7ミリくらいの細さになってしまった。きしめんの幅だ。
で、これが、それっぽい輪ゴムの箱と、ふぞろいの輪ゴムたちです。
かんたん輪ゴム工場
というわけで、はじめはゴムバンドから輪ゴムを手作りしてみようとしただけでしたが、実際やってみたら簡単に出来てしまったので、余計な部分を書き足すはめになりました。この記事の7割くらいは余計な部分で出来ています。3割は余計でないつもりだということです。
ゴムバンドからであれば輪ゴムは結構簡単に作れる、という情報を最後に付け加えつつ、今回は締めさせて頂きます。ともあれ世の中いろいろなことがありますが、ゴムのように柔軟に切り抜けていきたいものですね。
ゴムを縛るゴムの図