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ひらめきの月曜日
 
そういえば、月餅はどうなった
月餅に光を! と、スタートしたのだったが

先日、10月7日は当サイトの4周年だった。とくべつ企画として、読者のみなさんの投票で物語が進むミステリー仕立てのストーリーをお届けしたのだが、ご覧いただけたでしょうか。

さて、そのストーリー、最初に わたくし古賀が誘拐犯からの電話を受けるところで物語がスタートする。

とくべつ企画をご覧になっていない方はまずちらっとこちらをご覧下さい。

ご覧いただけると分かるとおり、犯人から電話さえ来なければ横浜中華街の“月餅フェア”のレポート記事になるはずだった。

月餅が本当に好きな私としてはせっかくの月餅への思いをダミー記事で終わらせたくない。ここに改めてお届けします。 (text by 古賀 及子



あらためて、中華街へ

というわけで、今度こそちゃんと中華街へやってきた(前回も来ているには来ているけれど)。

中秋節のことや中華街の月餅フェアに関してはダミー記事に書いたので割愛し、今回はうっかり誘拐犯から電話がかかってこないうちに本題に切り込んでいきたい。


しつこいようですが雰囲気出すために再掲載、中華街の門

中国と日本、月餅との距離感

さて、中国にくわしいライターのライスマウンテンさんに以前聞いたのだが、あちらでは中秋節などの祭事期間以外はお土産屋さんなど特別な場所を除いてあまり月餅は売ってないんだそうだ。

意外だった。日本だったらコンビニで年中売ってる。中村屋のやつだ(大家さんが食べて太ったというのもこの月餅である)。


中華街の売店でもつねに月餅が満載(お土産屋なので当然か) ケーキ並みに大きいのもあるぜ

アヒルの卵入り月餅が食べたかった

そんな日本ではいつでも食べられる月餅、なんで私が中秋節の月餅にこだわるのかというとちゃんと理由がある。

この時期、限定でアヒルの卵の塩漬けが入った月餅が出回るというのだ。


各店でこんな大きなスペースで限定月餅を販売

がーん! アヒルの卵が入った月餅!

これ、月餅好きとしてはかなりのスクープだ。私が考える日本の月餅のメインターゲットである50代から上の女性が聞いても驚くに違いないと思う。

だって、アヒルの卵ですよ。しかも塩漬け!

何ていったらいいんだろう、ほら、食べ飽きるほど食べているマックのハンバーガーにウズラの卵が混ざってたみたいな話だと思っていただければいいか。

ああ、もう、伝わっているかいないか分からないけど、とにかく先に行かせてください。

中華街の月餅フェアでは各店のアヒルの卵入りの限定月餅が一同に会する展示もあるというのだ。ね、行かないわけがないじゃないですか。


こちらの中華街案内所で展示が! ……うん、わりと地味だいね

案内所で、わりと地味に展示中

展示が行われていたのはChina Town 80という中華街のインフォメーションコーナー。

実は期待していたよりアヒルの卵入り月餅たちは地味に展示されていたのだったが、各店を練り歩いてどこの月餅を買うか迷う手間がはぶけてたすかるというものだ。前向き。


亀など形をしたの“かわり月餅”から タルトのような形の月餅展示されていた。わー

地味以上に残念だったのは、2日訪問日をずらせば巨大月餅が展示してあった、ということだ。しかも10月9日には15時からこの巨大月餅の試食会も行われるんだという。

おや? 10月9日ってこの記事の公開日じゃないか。お近くの方はぜひ行ってみてください。なくなり次第終了だそうです。


わたしが行ったときは写真だけ展示してあった。でかい。

月餅というのは、美味しさの他に大きさというのがひとつの重要なポイントになっている。特に祭事の際には大きければ大きいほど良いとされているらしい。

私が探すアヒルの卵入りのものにもずっしりした大きいものが多かった。

そういったわけで、買ってきました

展示の月餅を強力に吟味し、さらに各店を回って検討した結果、以下の二つのアヒルの卵入り月餅を購入した。

私が買ったのは買える(食べきれる)範囲での最大のものと、ちょっと普通の月餅と違う2種類。


こちらです! なんせこの大きさ

256立方cm

大きいほうは縦8cm、横8cm、高さ4cmである。体積256立方cmだ。ああ、あまりにもピンとこない数字に興奮の行き場も分からない。

おまんじゅうのような小さなものは、これにマルッと一つの卵が入っているそう。かわいい。


割ってみました。黄色の周りは白身? こちらは卵2個入り。全部、黄身?

食べましたとも

小ぶりの方は、見た目の通りいつもの月餅とは違い、和菓子やさんで売っている生菓子のきんとんのような味だった。白い部分も黄色い部分もぽっくりしていてしっかり甘い。

対していかにも月餅という大きな方は、しょっからい卵にこれでもかという甘いハス餡の味付けになっていた。

調べてみると、この大振りのものが伝統の中秋月餅の味らしい。

しょっぱさが餡の甘さと合って私は大好きだった。うん、月餅好きの母や祖母にも食べさせてあげよう、そんな味がした。


じゅっとり


月餅への愛はどこへ行くのか

途中からなんとなく気づいたのだが、やはり私のなかでたぎる月餅への愛はなんとなく、伝えずらいようだ。

私は興奮する。するんだけど、やっぱりそんな興味ひく食べ物じゃないよな! 月餅って! という事実もなんとなく飲み込める、そんな状態。

でも私は好きだ、大好きだ、あと多分、50代以上の女性はきっと好きだ、ということを記事を書きながら実感ていた。

これからも、地味に月餅を応援していきたいと思う。毎年中秋節の折には卵入り月餅も食べるようにしよう。

この日は最後まで誘拐犯人からの電話はかかってこず、取り急ぎそれにも安心しました。

お土産に普通の月餅も買って大満足なわけです

 
 

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