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ちしきの金曜日
 
穴に塩を入れてマテ貝を捕まえる

マテ貝の住む穴を探す

まずはコーチに教わりながら、鍬で干潟を浅く掘る。コツは掘った面を綺麗な平らにすること。どうすると綺麗な平らになるのかはよくわからない。

マテ貝の住む穴は爪楊枝程の直径しかないので、綺麗に干潟を掘り起こしていないと、穴が潰れてしまってわからないのだ。


干潟掘り。へっぴり腰だ。

さて、マテ貝の穴はあるのあろうか。


あ、指が汚い!

これだ!きっとこの穴に違いない。
この奥に憧れのマテ貝がいるはずだ。

 

穴に塩を入れよう

マテ貝のものらしき穴が見つかった。あとはここに塩を入れれば、マテ貝がニョキッと出てくるはずだ。塩加減がよくわからないので、とりあえず穴を覆い尽くさんばかりに塩を盛ってみる。心臓がドキドキしている。当たり前か。


でてくるかな?

それでは、この時の模様を動画でお楽しみください。


干潟コーチと生徒達の楽しい会話付き映像。

惜しい。最初にちょこっと出てきた感じがあったんだけれど、残念ながら出てこなかった。

 

孤独と戦う

その後、何度か穴を変えてチャレンジするも、マテ貝がちっとも出てこない。コーチはもちろん、友人達もマテ貝をバンバン捕まえている。私だけが一匹も捕まえられていない。

おかしい。私にはマテ貝捕りの適正がないのだろうか。それは困る。あるいは私だけ砂糖を使っているのだろうか。でも塩辛い(舐めた)。

この感じはあれだ、小学生の時、町内会のイベントで豚汁を作ったとき、お椀を持って行くのを忘れて指をくわえていたのに似ている。

なんだか悲しくなってきた。

 

そして待望の一匹!

なかなか思うようにマテ貝が捕れないので、干潟コーチにアドバイスを求めたら、「マテ貝だからマテ!」といわれた。

待ってられるか。次こそは、次こそはと、なかなか勝ち星に恵まれない時の水戸泉のように、辛い気持ちをグッと堪えて塩を大量に撒き続ける。

そして、ようやく私にも苦労が報われるときが来た。


左手のもどかしい感じをお楽しみください。

一匹捕れたら俄然ハイテンションになってきた。マテ貝捕り、予想以上にめちゃめちゃ楽しい。さっきまでの暗く落ち込んでいた自分が嘘のような浮かれっぷり。もうはしゃがざるを得ない。

一回コツを掴んだら、あとは余裕。順調にマテ貝を捕まえまくり。潮が満ちるまでのほんの30分程の間に、夕飯のオカズに充分な量のマテ貝を捕ることができた。干潟最高!マテ貝イエーイ!

 

ニョキ!

キャッチ!

ダブルでニョキニョキ!

キャッチしまくり!

その辺に置いておくと脱走します。


今日はなんて素晴らしい日なんだろう。思いがけずに昔からの夢であった「マテ貝を塩で捕る」という干潟レジャーが達成できてしまった。夢のような一日だった。

 

それでは、調子に乗って次にマテ貝を捕りに来たとき、ついうっかり「マテ貝は塩以外で捕まえられるか」とかを試さないようにと自分を戒めつつ、締めの挨拶に移らせていただきたいと思います。

マテ貝は食べても美味しい

捕まえたマテ貝は、持って帰ってボンゴレっぽいスパゲティにしてみた。

マテ貝の穴からニョキニョキっと飛び出る瞬発力は伊達ではなく、全身がプリプリとした筋肉質。味も濃く、とても美味しい貝だった。

アサリと違って砂を含んでいないので、捕ってすぐに食べてもジャリッといわないところも好印象だ。

マテ貝のボンゴレ。美味しいよ。

マテ貝捕り、これでまた一つ、干潟にいく楽しみが増えた。

今、私はとても幸せな気分だ。


 

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