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ちしきの金曜日
 
「逆さにしても顔になる顔」になる

●ドキドキ愛されメイク!秋の逆さま顔

  いろいろな側面での不安を抱えたまま訪れた妻の実家。義母に逆さま顔を見てもらって、そうと気づくか試してみたい。

 さあ、何も告げずに顔を見てもらおう。


「僕の顔を見て、何か気づくことはありませんか?」
「いや……」

 顔を見て何か気づいたことはありませんかという問いかけに対し、義母は微妙な反応。悲しくなるのであまりこういう表現をしたくないのだが、言葉を失っているという感じだろうか。

 もしかしたら「この婿はやばい」ということに気づいているかもしれない。ただ、その気づきは今回の正解ではないのだ。

 やはり普通の表情ではわかってもらえないだろう。逆さま顔に見えやすい表情になって、再び問いかけてみる。


「ど、どうですか?」「……うーん」
かなり表現できてると思うのだが

 ぷるぷるしながら聞いてみるも、わかってもらえないようだ。やっぱり無理なのか。

 ただ、「一生懸命やってるのはわかるけど…」と言ってくれたところからすると、私の真剣さだけは伝わったのかもしれない。そう考えると顔の筋肉の疲れも少しは癒される。

 やはりこの向きが問題なのだろう。逆さま顔は、逆さまになって初めて気づくものであるはずだ。


逆立ちするなんていつ以来か

 上下逆になれば気づいてもらえるかもしれない。そういうわけで、久しぶりに逆立ちをしてみる。中学校の組体操以来ではないだろうか。


「どうですか?」
「ど、どうですか!?」

 逆立ちしながら問いかけてみたのだが、義母は首をかしげるばかり。

 じっくり見てもらおうと逆立ちをがんばるのだが、久しぶりの逆立ちはそんなに長く保てない。あとから写真を見て、自分の顔の赤さにも驚いた。

 耐え切れなくなって畳にばたんと倒れこむ。やっぱり無理なのか……と思ったところで気がついた。逆さから見てもらうのは、別に逆立ちをしなくてもできるではないか。


「どうですか……?」

 仰向けになって寝転び、頭の方から私を見てもらう。これなら私の体力に関係なくじっくり見てもらうことができる。お願いです、わかってください、お義母さん!


ほら!
ほらほら!

 右の写真、私からしてみれば完全に逆さま顔だ。なんとかわかってもらえないでしょうか。

 「逆さってところがポイントなんですよ」などと、少しヒントめいたものを告げる私。そして、しばしの沈黙のあと、義母が「…あっ !」と声を上げた。

 「ここが鼻で、これが口ね。ああ、顔に見えるわ……」

 ついにわかってくれたのだ。その語調にあんまり感動はないように感じるが、わかってくれたならもう満足だ。

 何度もあきらめそうになったが、やっとゴールにたどり着いた。逆立ちでの肩の痛みもひいていく。逆さま顔は計画はなんとか成功と言っていいだろう。

難航を極めた今回の撮影

●がんばればなんでもできる

 ついにわかってもらえた逆さま顔。義母に感動はなくとも、私は感動だ。

 上の写真は今回の撮影での失敗写真例。今回はこうした写真がたくさん発生してしまった。撮影係である妻が私の顔を見て笑ってしまい、手ブレが起きてしまうのだ。

 人は笑うと脳の中でなんとかという物質が出て、健康になると聞いたことがある。きっと肌もつやつやになるだろう。

 そういうわけで、僕たち夫婦はなんだかんだとうまくやっています。この記事を通して、そんなメッセージを義母に捧げたいと思います。


 

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