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ロマンの木曜日
 
三浦半島ぶらり旅

大人ひとりお願いします
本格的な船だ

遊覧船でクルーズ

城ケ島には遊覧船が就航している。
城ケ島を一周し油壷へと向かうコースがあり、それに乗船しようと思ったのだが、この日は風が強くて欠航とのこと。
しかし城ケ島を一周するだけのコースは運航しているので、そちらに乗ることにした。

待合所で切符を買い求め、そこから連絡用のワゴン車に乗り、出航場所へと移動した。

目の前に現われた遊覧船は想像よりも大きく立派で、本格的な船だ。

 

 
 

船は揺れたがいい気持ち

油壷への便が欠航となっているだけあって、港を出た船は波に大きく揺れた。
展望デッキに出るととても風が強かったが、9月の潮風は肌に心地よい。

海の上から眺める城ケ島は、茶色い岩と草木の緑と、海と空の青とのコントラストが美しい。

東京から一時間半ほどでこんなに美しい景色を目にすることができるのだ。

わずか30分弱の航海ではあるが、すっかりリフレッシュすることができた。

 

小さなバスで油壷へ
おしゃれな店だ

油壷へ

油壷行きの遊覧船が欠航のため、バスで向かった。

油壷でバスを降りると、夏の名残の日差しがまぶしい。
この辺りはリゾート地の雰囲気に満ちている。

バス停から油壷マリンパークに向かう道の途中に、海岸へと降りられそうな坂道を見つけて、そこを下る。

おしゃれなたたずまいのカフェのような店の間を進むと、海への視界が開ける。

ボクは海のそばで育ったので、海を見るととても安心する。
海はしばしば母親に例えられるが、自分にとってはまさにそれである。

 

9月の海水浴
いい海だ
帰りのバスを待つ

海辺にて

海岸へと向かう坂道を下ると、そこには岩場が広がっていた。
大きな一枚岩がいくつか並ぶ平たんな岩場では、家族連れが日光浴を楽しんでいる。

水平線に目をやると、帆を下ろしたままの白いヨットが数隻浮かんでいる。
あのあたりはマリーナなのだろうか。


水辺で休んでいると、どうしても水に入りたくなってきた。
寄せては返す波の音がボクをそんな気持ちにさせたのだろう。

せっかく海に来たのだ、水もまだ冷たくはない、すこし波と戯れるのも悪くないか。

しかし、水着も着替えも、タオルすら持っていない。
帰りのことを考えると、海へ入るべきではないだろう。

もしボクがもう少し若かったなら、このまま海に入っていただろう。
そしてそのあと、きっと後悔していた。

でも、もう少し若いボクならば、こんなひとり旅はしなかっただろう。
大人になるとはこういうことなのか。

後ろ髪を引かれながら海岸をあとにした。
この時ボクの後ろ髪を引いたのは、海なのだろうか、それとも若い日の自分なのだろうか。

そんなことを考えながら、帰りのバスを待った。

三浦半島の自然と味覚を満喫

とても楽しい旅だった。
夏の終わりの、少し季節外れな岬めぐりの旅だったが、美しい景色とおいしい海の幸にとても満足することができた。
旅とは出会いである。
知らない街で知らない人と出会う旅もあれば、知らない自分と出会う旅もある。
たまには都会を離れて、旅先で知らない自分を探すのも悪くないなと思う、そんな旅だった。

楽しかった

 

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