翌日：ドカヘルとの再会

彦根牛を食べてその日はバタンと寝てしまった。

さて翌日。再度童夢の工場へ出向き、出来上がりをみることに。

釜（実際は「オートクレーブ」といいます）から出したブツ。ほかほかだ。このブツをくるむ袋・フェルト・フィルムを順に取り去り、メス型からブツをカッターではがす。

パカ。
ブツは、メス型にあらかじめ塗られた離型剤のおかげですぐに型から外れた。あっけないくらいだ。

高い温度・圧力を経たその出来上がりの表面はつやつや、カチカチ。ちゃんとしたCFRPのプロダクトがそこにある。しかもそれは私らが成型したものだ。「おおー・・・。」と声がもれる。静かな感慨がある。

よくよく見ると、マスターモデルにケガキされた細い線も、ちゃんとブツに写し取られている。どれだけ圧力が高いか、またどれだけ最後のあの「シワ寄せ」過程が大切か、しっかり見せ付けられた。

あとは「バリ取り」。周囲の余分な部分を切り去り、ヘルメット用部品を取り付けるだけだ。そこは稼働中の他の設備を使って社員さんが行なうため、今日私たちのできることはこれでおしまい。帰宅して、完成したヘルメットの到着を待つこととなった。