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ちしきの金曜日
 
いろんな意味でおっかないつり橋めぐり
 


 静岡県の観光スポットとしてよく知られている、寸又峡の「夢の吊橋」。きれいな湖水と美しく染まる山の中にあり、写真でしか見たことがなくても絶景だと思う。

 調べてみると、静岡には他にも観光地として人気のあるつり橋がいくつもあるようだ。確かに絵になる。

 しかし、観光スポットとなっているつり橋以外にも、純粋に地元の方たちが川を渡るために架けられたものもたくさんあるらしい。そう言われれば当たり前かもしれない。

 そんなひっそりとしたつり橋が多数ある場所があることを耳にし、実際に行ってみました。

小野法師丸



●怖さの質がちょっと違うつり橋

  今回訪れたのは、静岡市内を流れる安倍川という川。「安部川」ではなく「安倍川」、「あべがわ」ではなく「あべかわ」である。川のほとりにある茶屋が出したと言われる、「あべかわ餅」の安倍川でもある。

 さあ、JR静岡駅から、安倍川に沿って走る県道27号を北上していこう。


深い山の中をずんずん進む
車窓から川の流れも見える

 静岡駅周辺はいくつもデパートがあるなど、かなりにぎやかな街なのだが、車を20分も走らせると緑深い景色に包まれる。その合間からきれいな川の流れも顔をのぞかせる。

 そしてその川のほとりに、こんな看板が立っている。


淡々としているが内容はおっかない

 字体こそ親しみやすい丸ゴシックだが、内容的には赤字で強調している部分があるなど、冷静に怖い。看板全体がすすけたようになっているのもなんとなく不安をかもし出す。

 そして看板の中で言っている「このつりばし」というのが、このつり橋だ。


渡りたくないんですけど

 なんというか、全体的にスケルトンだ。あと細い。そんなへぼいことしか言えないたたずまい。手すりに当たるものはワイヤーだろうか。それもなんだか低い位置にある。

 見るからにやばい。渡りたくない。

 そう思っていると、向かい側から地元の方とおぼしき人が渡ってきた。


普通にさくさくと歩いてくるおじさん

 なんだか悪い夢のような写真になってしまった。普段の生活の中ですっかり当たり前になっているのか、とにかく割と普通に歩いてくるではないか。

 やはり渡らないわけにはいかない。よし、心を決めて渡ろうではないか。


怖さに表情も固くなる

 ちなみのこのつり橋、もちろん川に架かっているのだが、それに沿って走る道路の上も通るようにして架けられている。写真で説明した方がわかりやすいだろうか。


川の上に架かっているのだが
こんな感じの端の方も新鮮

 両側の高さなどの関係で、設計上こうなったのだろうか。個人的には初めて目にする光景で、橋のおっかなさに加えて不思議な新鮮さも感じた。

 そういうわけで、つり橋を渡るときには眼下にその道路があるということになるわけだ。


ワイヤー同士の間隔がなんか広い
がんばって手を振ってみた

 渡ってみると足もとのスケスケ具合にさらに怖さ倍増なのだが、この感じだと通りかかった車の運転者も驚くのではないだろうか。

 他にも安倍川にはたくさんのつり橋がある。どんどんめぐってみよう。


 

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