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フェティッシュの火曜日
 
コントみたいなスーツ

 
これがコントになる前のスーツです。
裏地をひっぱるとプチプチプチと糸が切れた
マジックテープを貼った後。袖口が壊れかけている。

スーツがかっこいいんだ

葛藤というのは、スーツが新品であったということだ。

6000円ちょっとでスーツを売ってる激安店でスーツを買ってきた。試着したり、自分で裾あげ(裾あげテープで)したりしてるあいだにすっかり愛着がわいてしまった。このスーツかっこいい。もうお前はうちの子だ。

いや、袖を取り外し可能に改造するだけで、普通に着ることもできる。ズボンのウエストを出すようなものだ。そう自分に言いきかせて裏地を見る。

既にほつれていた。

幸いなことに縫製が適当で裏地が取れはじめていたのだ。縫製が雑で喜ぶなんてもう二度とないだろう、と考えるとこれは貴重な経験じゃないか、そうだそうだ、後ろを振り返らないようにしながら糸を切っていった。

コントとは内面との戦いであるのか。

 

そしてノウハウ

当初、袖と胴体部分をマジックテープでくっつけたのだが、マジックテープの粘着力が強すぎてきれいにはがれないことがわかった。むりやり引っ張るとマジックテープとスーツを接着している部分がめりめりとはがれてスーツが毛羽立ってしまう。

微妙なバランスが必要である。松竹芸能には袖がとれるスーツを作るノウハウがあるのかもしれない。袖を引っ張る力をNとしたときの袖を固定するマジックテープの粘着力を計算する式を、だ。

なんどか試行錯誤をしているあいだに、両面テープぐらいのゆるい粘着力が適当であることがわかった。

みなさんもコントスーツを作るときに参考にしていただければ幸いである。

このような過程(夜なべ)を経て前ページのコントスーツが完成したのである。

袖口を縫って両面テープで固定した
完成。オンマウスで袖がとれます

僕がスーツを着てたら気軽に袖を引っ張ってくれ

コントの奥深さと計算を感じた試みであったが、せっかくなのでこの改造スーツをふだん使いしてみたいと思う。コントのある生活なんて素敵じゃないか。身の回りの理不尽さに怒るよりも、さらに理不尽な笑いで応えてゆくのだ。

トカゲがしっぽ切ってピンチを脱するように、僕も袖を外して急場をしのごう。大やけどする可能性もあるけどな。

あたまちょい悪おやじ


 

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