スーツがかっこいいんだ
葛藤というのは、スーツが新品であったということだ。
6000円ちょっとでスーツを売ってる激安店でスーツを買ってきた。試着したり、自分で裾あげ(裾あげテープで)したりしてるあいだにすっかり愛着がわいてしまった。このスーツかっこいい。もうお前はうちの子だ。
いや、袖を取り外し可能に改造するだけで、普通に着ることもできる。ズボンのウエストを出すようなものだ。そう自分に言いきかせて裏地を見る。
既にほつれていた。
幸いなことに縫製が適当で裏地が取れはじめていたのだ。縫製が雑で喜ぶなんてもう二度とないだろう、と考えるとこれは貴重な経験じゃないか、そうだそうだ、後ろを振り返らないようにしながら糸を切っていった。
コントとは内面との戦いであるのか。
そしてノウハウ
当初、袖と胴体部分をマジックテープでくっつけたのだが、マジックテープの粘着力が強すぎてきれいにはがれないことがわかった。むりやり引っ張るとマジックテープとスーツを接着している部分がめりめりとはがれてスーツが毛羽立ってしまう。
微妙なバランスが必要である。松竹芸能には袖がとれるスーツを作るノウハウがあるのかもしれない。袖を引っ張る力をNとしたときの袖を固定するマジックテープの粘着力を計算する式を、だ。
なんどか試行錯誤をしているあいだに、両面テープぐらいのゆるい粘着力が適当であることがわかった。
みなさんもコントスーツを作るときに参考にしていただければ幸いである。
このような過程(夜なべ)を経て前ページのコントスーツが完成したのである。 |