先日自宅でゴキブリがでた。久しぶりの対面だったこともあり、驚きもひとしおであった。
取り急ぎ駆除すべくゴキブリホイホイを買ってすえつけただのが、これがどうにも目立つのだ。見るにつけ「ああ、ゴキブリのいる我が家」とぐったりしてしまう。
なんとか目立たせないようにしたいと思い、昆虫のごとく擬態させることにした。風景に溶け込むゴキブリホイホイを作ったのだ。
(text by 古賀 及子)
改めてゴキブリホイホイの箱を眺める
ゴキブリホイホイ。聞けばすぐに思い浮かぶあのパッケージ。今まで何の疑いもなく設置していたが、よくよく考えるとあの屋根の赤さは非常にエネルギッシュで目立つ。
さらに、改めて箱を眺めみて見逃していた細かいイラストに気づいた。屋根には猫が寝そべり、春らしい花のさく花壇があるなど、ほのぼのが全開だ。
なんだか、かわいい。
「だめだよ! これは罠だよ!!」とうっかりゴキブリくんを助けたくなる悲しさがある。いや、駆除しようとしているのは私であって、まったく身勝手なのですが。というわけで、
・健気なパッケージに惑わされない ・ゴキブリが置いてある家、という事実を忘れる
この2点をクリアするため、置く場所に擬態するゴキブリホイホイを製作することにしたのである。
では早速作っていきましょう
擬態というと、枯葉そっくりの色形をしたリーフフィッシュや、枝や花にそっくりのカマキリを私は思い出す。
捕食者から身を守ったり、逆に獲物に見つからないようにするため草木などにかくれるのだ。
今回は、捕食関係からはなれ、仕掛けた本人(私)から身を隠すという不条理な擬態となるわけであるが、ひとつゴキブリホイホイくんには汲んでもらいたい。
どうだろうか、思いのほか見事に擬態してくれてしまい、ガッツしながら慌てた。大丈夫か、これ、自分で仕掛けたこと忘れちゃいやしないか。踏みでもしたらそれこそ大惨事である。
踏みそうです
複雑な気分で成功をかみ締めつつ、では別の擬態にも挑みたい。
よりアクロバティックな擬態へ
実は、我が家ではゴキブリ発見から5日間ほどゴキブリホイホイを仕掛けているのだが、1匹もかかっていない。安心したようで、ちょと不満でもある。
そこで、実際に目撃した現場に仕掛けることにした。その目撃した場所というのが、えらく目立つ場所なのだ。
出しっぱなしの調味料の間をぬうように走り去ったあいつをしとめるため、今度はここにゴキブリホイホイを擬態させようと思う。
先ほどと同様に着せ替えを作った