ボウルに水を入れ、布の中のジャガイモを揉んでデンプンの残りがないようにしっかりと絞る。
小学生の頃、このデンプン取りを理科で習ってから、これを趣味としていた時期があった。
出来上がったデンプンにお湯と砂糖を入れ、「くず湯〜」と喜んで飲んでいた。
今思うと、正直あまり美味しいものでは無かったが、作る過程とジャガイモからトロっとした透明な飲物が出来るというのが楽しくて仕方がなかったのだ。
いつもこういう実験をしていて思うのは、理科の授業で体験した時の驚きと感激。
そしてこみあげるノスタルジック。
まだ好奇心で瞳孔を開いている自分がいる。
なんて考えながらすり下ろして漉した汁を静かに10分置き、上澄みを捨てる。
液体は「これがジャガイモ汁か?」と思う程赤い。ポリフェノールたっぷりなのだろうか。飲んだら体にいいのだろうか。 |