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フェティッシュの火曜日
 
ジャガイモと大根で水飴を作る

STEP2 酵素を用意してデンプンを切断

●大根編

大根300gの皮を剥いておろし、漉してできたおろし汁を65℃の湯煎で温める。

 
これが実験か? シラス乗せて食べたい
あ、実験ぽい

解説しよう!
なぜ65℃なのかというと、この酵素が最も活発に働くのがその温度なのだ。
それより高いと加熱した卵のように熱変性し、酵素が働かなくなってしまう。

しかし人体で働く酵素なので、すっかり至適温度は37℃前後だと思っていた。意外にも高温でびっくりだ。

●胃腸薬編

唾液に含まれている酵素(アミラーゼ、タカヂアスターゼともいう)が入っている胃腸薬を探しに薬局へ向かった。

「どういったのをお探しですか〜?」
胃腸薬コーナーを物色していると、店員さんが声をかけてくれた。
こういう微妙な捜し物の時は、嬉しいけれど説明しづらくて、少し困る。

私「タカヂアスターゼが入っているやつなんですけど……」
店員「どういったご用途ですか〜?」
私「あ、あの、実験で……」
店員「今それが主成分で入ってるのはコレだねー。他にもあるけど違う成分も多いからー」

慣れた店員さんに感謝である


オススメの逸品

酵素を含む胃腸薬を一粒取り出して粉々にする。
家にあったお皿と小さいしゃもじで突いて粉にしたが、油断すると薬が器から飛び出そうになる。やはり乳鉢やすり鉢が欲しい。


大根汁と胃腸薬。この量の差で同じ作用があるとは、やはり薬って凝縮されている
粉になった薬。器と色が似ていて見にくくてすみません

 

デンプンを酵素で切断反応

ジャガイモから取り出したデンプンを、800mlの水で溶いて中火にかける。

最初は真っ白だったのに、場所によって透明な部分ができてくる。
最後には全体が半透明のゲル状になり、箸が透けて見えている。



こうすることで、酵素と反応しやすくなるのだ。

透明になってトロみがついたデンプン、これに砂糖を入れて「くず湯」と喜んで飲んでいたわけだ。
ちなみにこの反応を「糊化」という。コカ。

この「100%デンプンだぜ!」と主張している半透明のドロドロにうがい薬を垂らすと、驚く程に青。デンプンそのもの、という染まり具合だ。


垂らした瞬間に濃紺
混ぜると、子供が喜びそうな……

まるで青スライム。

加熱したデンプンが65℃に冷めたら半分に分け、片方には湯煎しておいた大根汁を、片方には胃腸薬を入れた。

大根汁を入れて攪拌した方は、汁が液体なので、デンプンのトロみがゆるくなっても当然だと思った。
しかし胃腸薬の粉を入れた方は、混ぜたらあっという間にデンプン糊がさらさらの液体になり、おおお! 酵素働いてる! デンプンの長い鎖を切ってる! と実感した。

65℃を長くキープするため、2つの魔法瓶でそれぞれ反応させる。

そのまま8時間放置する。長い待ち時間です。その間ヒマワリ畑でもご覧下さい。


房総の夏、日本の夏

8時間後、どうなっているだろうか。


 

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