どんどん押そう
小さな型は、あっというまに熱くなる。見ているうちに、だいぶ状態が分かるようになってきた。
まず、押し易さという点で選んだカマボコに押してみよう。魚なのに、肉の烙印を押されるのは屈辱だろうか。
焼きゴテを押すと、カマボコからは「キュウウウ」と、非常に可愛いらしい音が発せられた。
その結果が、これだ。
何度も押した。何度も押したなかで、マシだったのが上の写真だ。
なんだなんだ、どうしたことだ。焼きゴテって、ただ熱して押すだけじゃないのか? なにか特別な、コツのようなものがあるとでも言うのか?
気を取り直して、あんパンと、酒饅頭にも続けて押してみたが、結果は似たようなものだった。
…認めよう。これは、誰がどう見ても、彫り方が悪かった。もっと溝を深く、エッジをハッキリとさせなければならなかったのだろう。
スタンプ台で紙に押した結果が良かったからといって、それが焼きゴテとして通用するものではないらしい。
くやしい。
やさぐれ中
保険として買ってきていた針金が、綺麗な色でハッキリ押されていくのを見るたびに「結局、彫らずに最初から針金を使えば良かったってことかい」と、非常にやさぐれた気持ちになるのでした。