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東急メディアコミュニケーションズ


ひらめきの月曜日
 
憧れの焼きゴテを作る


焼きゴテ。…そう、老舗の有名店の厚焼き玉子やドラ焼きに、店の名前なんかが押してある、例のアレだ。作れるもんなら作りたい。そして自分の名前をペタペタ押しまくりたい。無理だろうか。

そう考えて、軽い気持ちで東急ハンズへ行き「焼きゴテを作りたいんですけど」と申し出たところ、係のお兄さんは「はい」と売り場を案内してくれた。

そして今。私はこの原稿を右手だけで書いている。左手は火傷したため、氷水に浸けっぱなしだ。

えーと、その顛末を、以下に記します。

高瀬 克子



まずは道具を準備

「え、自分で彫るんですか」とハンズの方に半ば呆れられながら、買ってきたのは真鍮のブロックだ。


この大きさで220グラム。ずっしりと重い。

「これを彫るとなると、それ用の道具が要りますけど、大丈夫ですか? 例えばルーターとか…」

心配そうなお店の方の問いかけに、私は笑顔で、こう答えたものだ。

「はい! ルーターは借りるアテがあります」

もちろん借りるアテとは、ルーターを使って数々の名人芸を見せてくれている当サイトの工芸担当、乙幡さんのことである。

この時点で乙幡さんには未承諾だったのだが、企画を説明すると「貸しますよ!」と二つ返事で快諾してくれた。


某居酒屋にて、使い方について指導を受けるの図
ルーターを前に全員が前のめり。そして笑顔。

記事で見たことのあるルーターを前に、その場に居合わせたデイリーライターの皆さんは「いいなー」だの「すげー」だの、すっかり興奮してしまった。


持ってるだけで、万能感を味わえるキットです

皆をウットリさせるほど魅力的ななルーターを家でじっくり見ていると、もう焼きゴテが半分出来てしまったかのような錯覚を覚える。「これさえあれば、なんだって出来るんだ」と、気が大きくなるのだ。

 

彫り、開始

さて、道具は全て揃った。というわけで、あとは覚悟を決めて彫るだけである。


鉛筆で、じかにラインを描いていきます

自分の名前(苗字)を彫ることは前から決めていたが、ここで一つ、ちょっとした問題が生じた。

高瀬の「高」は大丈夫そうだが、「瀬」はどうなんだ。どう考えても、素人がいきなり手を出していい文字じゃないだろう。画数が19もあるぞ。とにかく細かすぎる。

というわけで、漢字はあきらめて平仮名にしました。
ああ、今日だけは田中さんや小川さんが羨ましい。


彫る直前に気が付いて「せ」を逆に直しましたよ

金属用のアタッチメントを装着し、鉛筆で描いた輪郭に沿って先端を動かしていく。輪郭さえハッキリと削り出してしまえば、あとは周囲を削り取るだけだ。

1時間ほどギャギャギャギャとルーターを回転させ続けた。これは面白い。これはハマる。


乙幡さんからは「メガネとマスクは必須」との忠告が
できれば休憩したくない。これはもはや中毒だ。

「さて休憩するか」と電源を切っても、まだ手が小さくモモモモモと振動している。なんだこれは。

不安になり注意書きを読んでみると「15分動かしたら15分休憩」と、夏休みにおける小学校のプールみたいなことが書いてあって驚いた。そうか、作業は小刻みにか。

硬い金属と格闘しながら、さらに1時間が経過。試しにスタンプ台に乗せ、紙に印字させてみたところ、なんとか文字は読み取れた。

よし。これをもって、作業終了としよう。


なんとなく、型が親魏倭王の金印っぽくもある
でも彫った文字はコレ。非常にしょぼいが満足だ

…で、問題はここからだった。実はハンズの店員さんにも「あとは、熱くなった焼きゴテを、どうやって食べ物に押すかですねぇ」と心配されていたのだ。


 

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