練習は続きます
僕の失敗ショービットを見てハルタ君がアドバイスをくれる。「あと板1枚分前に飛んでみてください」「力で回すんじゃなくて遠心力で」「まだ力んでますよ」。
それらの言葉一つ一つが僕のショービットを完成に導いてくれる。ショービットは基本っていうけど、どういう風に使うのか、ハルタ君に聞いてみた。
「うっかり前後逆に乗っちゃった時とかにこれで入れ替えるんですよ、降りるの面倒だから。」
僕が今必死でやろうとしてるの、本当に基本だった。
そして成功へ
何回飛んだのだろうか、もう汗でずぶ濡れになっていた頃だ。
「ひょい」
なんだかわからないけど回した板の上に着地することができていた。たぶんこの直前にハルタ君に言われた言葉に発奮したのだ。
「あんどうさん、びびってますよ」
スケボーの上で飛ぶのは確かに怖い。だけどびびって腰が引けると重心が後ろに移るのでますます飛べなくなるのだ。それをハルタ君は見切っていた。
「やー。」
トリックが成功するとスケーターはこぶしを合わせながら低い声でこう言うらしい「やー。」。悪そうでいい。技の達成感と仲間との一体感がすごく気持ちいい。
「それから練習を終えて帰るときにもやり方があるんですよ。B系の人たちだと最後に忠誠を表すためにこぶしを胸にあてます。」
ぜんぜんわからないけど、とにかくこれからはこれで別れたい。
もっと練習します
この後も延々とショービットを練習しているのですが10回に1回くらいしか立てません。まだまだ基本すら遠いようです。そんな僕にハルタ君は次々と新しい提案をしてきます。
「今度はパークへ行きましょうよ。」
パークというのはスケボー専用の練習場のことだ。今度パークデビューを果たして、しかも骨とか折らなかったらまた報告したいと思います。やー(胸にこぶしをあてながら)。