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はっけんの水曜日
 
スケボー、はじめました

いいですよ、教えますよ

「まずどんなトリック(技)がしたいか選んでおいてください」
と、ハルタ君は一本のビデオを貸してくれた。この中で気に入った技があればそれを教えてくれるというのだ。すげえ。人生の台本をもらったみたいだ。わくわくしながら家に帰って一人でビデオを見てみた。内容はざっとこんな感じだった。

  • 助走を付けて階段の最上段から飛ぶ
  • その際、手すりの上を滑ってみたり
  • なんだかわからないけど高いところから回りながら飛び降りたりしてる
  • で、はるか下方の地面に着地したと同時に板が折れたよ
  • スケーターは誇らしげに折れた板をくわえたりして盛り上がっていたよ

どうすんだこれ。できる可能性があるのは折れた板をくわえて盛り上がる、くらいじゃないか。

まったくだめっぽい旨を伝えてもハルタ君は笑顔を絶やさずに僕を外へと連れ出した。


くるっと軽く回す。

「じゃあまずこういうのからいきましょうか」

ハルタ君はスケボーに乗って止まった状態から軽くジャンプして板の前後を180度入れ替えた。

「ショービット(shove-it)っていう技です。回転系トリックのなかではこれが基本となります。」

うむ、確かにこれならばさほど遠くない気がするな。

後ろ足のつま先で。
板をしゃくり上げるようにします。

ショービットのコツはこうだ。

  • なるべくスタンスは広めに
  • 後ろ足の指でボードをひっかけてこすり上げるような感覚で
  • 回転した板に乗る時は前足から

 

すごく丁寧に教えてくれます。

やってみます

ハルタ君は上手くてかっこいいのにとても丁寧に教えてくれる。しかも言っていることもすごく理にかなっているのだ。僕が逆の立場ならたぶんちょっとだけ違うことを教えて落下するのを誘うだろう。そんな僕の卑しさが恥ずかしくなるほど、ハルタ君は親切なのだ。

では僕もショービット、やってみます。

とぉ。

せーの。
えいや。
あれどこ行くんすか。
そして止まれず落下。
ハルタ君はどこからでも降りられます。

まったくできない。まあ予想はしていたが、ハルタ君が軽々とやっているところを見ると「できるかも」とか思ってしまうのだ。


 

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