だんだん うなぎの町になる
結論から言うと、成田は「徐々にうなぎの町」であった。
成田山の参道を入ってすぐは、あれ、と思うほどうなぎの影がない。あるのは居酒屋や土産屋で、普通のレストランやお寿司屋があっても うなぎを扱っている様子はない。
が、そのまま進むと1・参拝客向けのオールマイティな食堂が現れ、そこに「蒲焼」や「うなぎ」などの看板、のれん、張り紙が見られるようになる。
そのうち食堂にうなぎメニューがあるのに違和感がなくなってきたころ、2・寿司屋やそば屋のメニューにうなぎが入っているのを見かけるようになる。
へえ、と思っていると参道が一気に門前の雰囲気を増して狭まる。そのころになると参道に面した3・旅館の1Fの食堂にうなぎののぼりが立っているのが目立ちはじめる。
するといつのまにか蒲焼の甘いいい匂いがそこらじゅうから漂い、4・専門のうなぎ店が現れる。
はっ! そうして気がつけば、私はうなぎ屋(うなぎを出す店)に包囲されていたのだった。
左を見れば老舗のうなぎ屋の店先でせんべいにするという、うなぎの骨を乾かしている。右を見れば、漬物屋で「うなぎの蒲焼にはこれ!」と奈良漬が売られている。
ぎゅーいーん。
そうだ、この感じだ。子供の頃の、うなぎに囲まれたあの感じが戻ってきた気がした! |