願わくばどうでもいい景色をアルバムにも載せてあげたい。
美しい風景を見ると誰もがほっとする。美しい風景を自分の記念のためや不特定多数に見せるために写真に残す。「美しい駅100選」「100名山」など様々なものが賞となり、映像として記録される。一方で今や悪い景色に対して苦言を呈する「悪い景色100選」なんてものもある。
いい景色と悪い景色、それらは結果として印象に残る映像であることには間違いない。しかしデジカメが普及し、フィルム残枚数を気にしなくてよくなった今、いい景色と悪い景色の他にいつか撮った「どうでもいい景色」が写真としてパソコンの肥やしとなっている時代がやってきた。そこで、どうでもいい景色を褒めて、どうでもいい景色の写真に息吹を与えたい。
(ライスマウンテン)
自分の過去の写真からどうでもいい写真を探す
どうでもいい景色に光を当てるのは大いに結構だが、どうでもいい景色を敢えて外に撮りに行くのはナンセンスだ。そこで仕事なんだか観光なんだかわからないがなんとなく保存している、パソコンのハードディスクの肥やしとなっている写真を出してみる。
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一発目からかなりどうでもいい景色を掘り当てた。日本全国の大都市郊外から地方の幹線道路沿いまで、どこにでもありそうな景色であることは確かだ。これを褒めなければならない。どこにでもありそうな景色か…よし!
「日本全国で見かけられる景色。日本全国でこのクオリティの道路を拝むことができる。日本を知らぬ外人に一般的な道路事情を伝える大切な景色。」
これでどうだろう?
こんな感じで次々と手持ちのどうでもいい景色の写真を褒め斬っていこうと思う。
これまたありふれた、良くも悪くもなく、どうでもいい景色だ。作品1の応用が効きそうだ。
「一般的な日本の住宅街の景色。日本を知らぬ外人に一般的な住宅事情を伝える大切な1枚。狭い住宅事情ながらも各家毎に構造にオリジナリティがある点も見逃せず、注目ポイント満載。」
もうちょっと変わった写真もやってみよう。
作品3 撮影意図不明。東京のジャスコ御嶽山駅前店。「日本を知らない人に買い物事情を伝える生活観溢れる景色。一般的な日本の駅前スーパーで、駐輪中の籠つき自転車に日々の生活の暖かさが感じられる。」 これでどうだ!?