民話や物語で石臼の出てくる場面がある。昔、教科書に 「石臼の歌」という話が載っていたし、海が塩辛くなった原因は「今も塩をまき続ける石臼が海に沈んでいるから」という内容の民話も聞いたことがある。
不思議なことに、それらの話で石臼以外の部分をまったく思い出せない。なぜ塩を出し続けるんだったっけか。
それだけ、私にはインパクトのある道具である石臼。いつか回してみたいと思っていた石臼、それをある日、お店で手軽なのを見つけたので買ってしまった。「買ってしまった」って、何か、私は「うっかり父さん」か。そんな秋の夜、ひとつ「挽き語り」でもしましょうかいのう。 (乙幡 啓子)
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