シーグラス【Sea Glass】とは、その名のとおり「海のガラス」だ。ウミガラス(チドリ目/ウミスズメ科 の絶滅危惧鳥)じゃありません。
川の上流から、または異国から流れてきたであろうビンの破片が、長い歳月を経て波に洗われ、丸くなる。すっかりカドがとれたガラスはオハジキのよう。
それを使って小物やアクセサリーを作るホビーがあるのだ。
ホビーと聞いては黙っていられない「ホビイスト」が、秋の誰もいない海へ宝物を探しに出かけた。
(乙幡 啓子)
まずは河原から
「シー」なんだけど、なんとなくデイリーポータルZは「河原」から始めないといけない気がして、ふらふらと午後の多摩川へ。聖地ですね。ヒンドゥー教徒にとってのガンジスといったら失礼かガンジスに。
まあ、最初に河原に来たのは「とりあえず近場で調査」が理由だ。遠くまで行って「ガラス落ちてない」なんてことになるとガッカリ、なので同じ水際ということでサンプル調査。
思ったより根気の要る作業だったが、石の転がる地面に目が慣れると、ぽつぽつ見つかるようになってきた。
しかし河原でビールビンの破片に出会うと、どうも「異国より流れ着いたシーグラス」の持つポエジーな雰囲気はまるでなく、「うらぶれた酒場の裏で起こったケンカの跡」といった趣である。
やだなあ。このビールビンのとがった破片とか、割れてからいくばくも経ってないビン底とか、どう見ても「今年の夏に河原でバーベキューして酔っ払った奴が割った」ものじゃないか。
夏を越した河原には、他にもいろんなもんが転がっておりました。
ほどほどにガラスを採集したら日も傾いてきた。明日は海に行ってみよう。