ひょうたん工芸は、できるだけ熟した実を水につけて、中身を腐らせたあと棒で取り去り、乾燥させてから手を加えるのだ。底辺は広く、各地にひょうたんを「趣味」にする人がいて会を作っていたりする。知らなかった。趣味の世界は奥が深い。
ご趣味は?と聞かれて「ひょうたんが趣味です」。え?と聞き返してしまうかもしれないが許して欲しい。でもたぶんその人はいい人だ。
安田さんも言っていた。「ひょうたんはな、昔から裕福な人たちの趣味だったんです。ほら、ひょうたんの形も、ゆとりある感じやろ。心に余裕が生まれるんですわ」と、面白そうに笑う。
するとちょうどそこへ、お客さんが一人やってきた。中年くらいのおじさん。
お客「あのな、ひょうたんの、まだ青いの扱ってるかな」
主人「うちはな、熟したのを仕入れてるからなー。」
乙幡「あの、ひょうたんがご趣味なんですか?あ、取材で来てるものなんですが」
お客「なんややめてえなー。いや、あの種をかき出すのが面白くてね。でも自分で栽培しようとしてもなかなかうまくいかん」
主人「栽培はなー、まだ青い実の種やとうまくいかなあもんでの。ちょっとまってや、その辺の実にまだ種がはいっとったな・・・」 |