「ひとり立ち度」とはビルに併設されていたりせずに、独立独歩でぽつんと存在しているかどうかの指標だ。立体駐車場鑑賞の醍醐味はこの「ぽつり感」の味わいにある。街中に唐突に出現する窓ひとつないノッポな建造物がぽつり。胸騒ぎ。
「スリム度」は縦横比の極端さだ。やはりひょろ長いほうがいかにも立体駐車場然としていて好ましい。真ん中の物件などはなかなかのスリムっぷり。
「P度」とは左の物件にあるように外壁面に書かれた「P」の文字の存在の有無とその鮮やかさの評価である。たいてブルーで記されていることが多い。なぜだかはわからない。今後の研究が待たれる。
「ダンディ度」とはチャートを六角形にしたかったために急きょ導入した指標である。もっぱらぼくの主観でもって評価される。
「すすけ度」は外壁面の汚れ具合である。時を経てその歴史を年輪のように刻み込んだ立体駐車場の姿には神々しいものすら感じる。真ん中のものはまだまだ青二才。
「地味度」とは、外壁面の色や装飾あるいは造形そのものの地味さ加減である。その点、昨今は浮かれた物件も多い。真ん中の物件などは少々いい気になっているのではないかといわざるを得ない。なんだそのこじゃれたラインは。左の物件を見習ってもらいたい。
はやくも読者を大きく引き離してのスタートだが、居直って先を続けようと思う。 |