あっけなく負けました
審査は早かった。というか審査に移る前からリュウタ君の作品に対する審査員の評価は絶大だった。
「ええー、これかわいいじゃん」「普通に売れるよ、これ」「貸して貸して、私もかぶりたーい」
そんな絶賛の声を背に、僕はトイレでジャニーズへの憧れを脱ぎ捨てた。審査員は全員一致でリュウタ君の作品を選んだことは言うまでもない。リュウタ君にも製作工程を写真に収めておいてもらっていたので、どこで違いが現れたのか検証してみたい。
まず素材選びから。リュウタ君の選んだ素材はネルシャツ4枚。あ、ここだ。すでに違いが現れている。そのネルシャツをまずほどいてばらばらにする。そして型抜き。
「簡単だよ、頭のサイズに合わせて採寸してそれを8等分にして同じ型をおこして縫いこむだけさ。」
ぜんぜん簡単じゃない。
製作過程の写真を見てまた驚いた。まるで同じ種目の対決とは思えないのだ。あまりにあわれだったのか、審査に協力してくれた皆さんやリュウタ君は僕の作品についても「色使いがいいよね」とか「お土産屋にあったら売れるかもよ」とか言ってくれた。もう本当に鎌倉に引っ越して一からやり直したいと思った。 |