埼玉で買い出し
ちょうど帰省していたので、買い出しは我が出身地・埼玉県にて。
鶴ヶ島インターチェンジ近くにある「お魚センター」(仮名)は、「料理の鉄人」なんかにも食材を提供していた有名なお店で、休日には観光バスも止まる名所……だったのだけれど、潰れてしまい、今は経営者が変わって、それなり〜に営業しているという店だ。
いかにも郊外型の、だだっぴろい店内には、大雑把に魚がディスプレイされている。が、平日だったこともあり、活気はゼロ。
かまぼこを作るには、タラ、サメ、トビウオ、ハモなど、白身の魚なら何でもいいそうだ。
同行してくれた母と、店内をウロウロ、見てまわる。
ひと皿300円コーナーに目がとまる。
「いろんな魚あるねえ」
「あるわねえ」
「これ、この魚、何だろ……」
「何かしらねえ」
「これアジだよね?」
「豆アジねえ」
「アジでカマボコ作れるかなあ?」
「美味しいと思うわよ。でもこんな小さい魚、始末するのが大変よ」
「いや、大変でもいいんだけど……」
とりあえず、遠くで作業している店員さんを大声で呼んで、袋に入れて、値札を付けてもらう。
「あ、あと……このポンダラっていうのも、ください、2匹」
カマボコといえばタラだろう、という発想のもと、テキトーに買ってしまった。大きさの割に安かったのが主な理由だ。
「お母さん、ポンダラって美味しいの?」
「タラの中では美味しいほうなんじゃないのかしらー。まあ、煮付けにすればね」
「大丈夫かなあ」
「大丈夫なんじゃないのー」
……ちょっと不安だ。
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