スミ「そもそも、松浦さんが音楽からゲームに移行したキッカケというのは?」
松浦さん「PSY・S(サイズ)をやるもっと前、1980年くらいに大借金をしてフェアライトっていうサンプリングマシンを買ったんです」
オーストラリア製のそのマシンは8ビットのコンピューターを搭載した当時の最先端で、ちなみに値段は1500万円、今の価値では4、5000万円程か。
松浦さん「家が買えるくらいの値段だったと思います」
大富豪のご子息という事ではない。とにかくそのサンプリングマシンを手に入れたかった。
「僕はハングリーな人間じゃないという思うんです。だからその分、大きな負荷をかけないと駄目なんです」
1500万円という大きな負荷を背負い、その借金を返済するため、フェアライトを使って楽曲を作る仕事に専念する。
「半年で600曲作りました」
そしてある時、松浦さんはアミューズメントパークのゲートで自分の作った曲を耳にする。自分の作った楽曲の受け取られ方をコントロール出来ない、という状況に気付いてしまう。
そして、
「やりたいことをやろう」
とPSY・S(サイズ)を結成する。
「何回も聞き入ってもらえる音楽、そういうものをPSY・S(サイズ)では追求していましたが、一方で電子楽器での遊びも、凄い面白い事だったんですよね」
サンプリングされたものをリピートする面白さ、というものを感じていた松浦さんは、その楽しさを、もっとみんなに分かりやすく伝えられないものだろうか、と常に考えていた。
つまりそこに、パラッパラッパ−の発想の源がある。
|