|
もういっけん、おにくやさん
5分ほど歩くと、もう一軒先のお肉屋さんがあった。そのお肉屋さんは、手前のお肉屋さんよりも、はりきっていた。
「コロッケクラブ龍ヶ崎 手造り愛情 コロッケ70円」の手づくりキャプションもまぶしい。
「お客さん、東京から来たの? 今食べてく? そう? ソースかける? かけない? じゃあお皿に乗っけてあげるからね」
女性店員も明るくて親切だ。
まるくソースをかけられたコロッケを2こ、渡された。
でも座って食べるところがなかった。
「ええと、どうしよう…」
見知らぬ町でコロッケを持って歩く。
「………」
「……大塚さん」
「はい?」
「なんか、その状況、ダメなロードムービーみたいですよ」
「……は?」
「『パリ・テキサス』って感じですよ」
「……」
結局、郵便ポストの上に皿を置いて、立ったままムシャムシャ食べた。
特別にスゴイというわけでもないけれど、おいしいコロッケだった。
|