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車庫が台所
結局これといった場所を見つけられず、とぼとぼ帰ってきたら、ものすごく日当たりが良い絶好の場所があった。車のいないガレージだ。ずっと車が停まっていたので見逃していた。
風もあたらず、 白いコンクリートが光を反射していてポカポカ既に暖かい。
おお! 日の光じゃあ! 日の光があるぞお! ここまでで、すっかり日の光に対してハングリーになっている。冬の日は短い。急いでセッティング。これが今日最後のチャンスだ。
すぐにペットボトル周りの温度が上がりはじめた。こうなると迫り来る影が恐ろしい。おびえながら、徐々に装置の位置をずらして続ける。
そして卵は茹でられたか
しばらくすると缶の中はかなり熱くなったようで、湯気がたちはじめた。缶の中を覗くと、入れた水に気泡が。しかも沸いたお湯独特の匂いがする。ここへ来て、なんだかんだいってはじめて「調理」を実感することができた。
待つこと15分。満を持して卵を取り出す。取り出すときにうっかり缶をそのままつかんだらものすごく熱い。
「いけねっ、あちー、あちー」
とか言いながら、内心はその熱さにしめしめ、といった感じ。ただ熱いだけなのがストレートに喜びにつながっている。
卵は、回転させたときにクルクル回るとゆで卵で、回らないのは生卵。 どこかで聞いた豆知識を活用して卵を回した。こんなに卵が茹だっていて欲しいと思うのは生まれてはじめてだ。
素直に卵はクルクル回った。やった!
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