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お母さんは生まれてから今まで、ずっとこの街で過ごして来た。さっき僕が降り立った駅はお母さんが小さい頃の遊び場で、この桃ノ木川でも泳いで遊んだ。
お母さん「両毛線の鉄橋から飛び下りたりしてましたよ」
住「えっ?お母さんがですか?」
お母さん「いやあ、私は恐くてやりませんでしたけど、男の子たちがね」
住「荻原君もこの川で遊んだんですかね?」
お母さん「あの子の頃は、もう誰も泳いでなかったですね」
一度お店に戻り、袋いっぱいのお土産をもらった。
梅干しだった。
駅までお母さんに送ってもらい、ホームに立つと、何だか自分の故郷を後にする様な気持ちになった。
「また来ます、お母さん」
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