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大バーゲン会場へ
最後に「水着バーゲン会場」にいってみた。
とあるメーカーが、夏のはじめに、格安で水着を売るというイベントだ。電話やネットなどで入場券を申し込まないと、中に入れない。
会場は都内某所。ふだんは骨董市なんかが開催されている、体育館みたいな広いスペース。
入り口には屈強な警備員が立っていた。
入場券を見せて、中に入ると………。
そこには信じられない光景が広がっていた。
広い会場、見渡すかぎり、水着と娘たち。
でっかい音と音楽がかかっていた。アバの『ダンシング・クイーン』をユーロビートにしたヴァージョンだった。
生DJがいるらしく、MCが入る。
「はい、そういうわけでねー。毎年恒例、水着バーゲン、今日は初日ですー! もう、みんなお求めやすいお値段になってますからね、何着買ってもいいですよねー、今は下着の変わりに着て、町で着るのも、いいですよねー。今日はインポートものの下着もありますからねー。よく見てってくださいねー。
気になった水着、みんな、キープして持っててくださいねー。試着は一度に3着できますからね、どんどん試してくださいねー。試着室は100室ありますからね、係員の指事にしたがって、並んでくださいいねー」
でかい音楽。明るいアナウンス。きゃっきゃとはしゃぐ女の子たち。並んで、脱いでは着て、脱いでは着て。
祭りだ。まさに祭りだ。
「これ、超かわいくない?」「かわいー」
「順子に買っていってあげよーか?」「あいつデブだからさあ、これとかよくない?」「いいかもー」
「あ、もしもしわたしー、いますっごい安い水着のバーゲン会場にいるんだけどさあ、なんか欲しいのある?」
皆、好き勝手なことを喋りながら、明らかに変なテンションで水着を物色していた。
私も雰囲気にのまれた。………合計、12着ほど試着した。
会場を出たとき、私の手には、なぜか水着がぶらさがっていた………。
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