|
●20:30「2杯目はメガネをかけた僕たちのイメージで」
「悪酔いするのはカクテルちゃんと作ってないからなんです」
バーテンダー石原さんがお酒の作り方について蘊蓄を語りはじめた。
「ちょっと面白い実験をしてみますね」
ショットグラスを2つ取り出し、1つのグラスにはジンを入れてからカンパリを入れ、もう1つのグラスにはカンパリを入れてからジンを入れる。
「2つを飲み比べてください」
1つずつ飲んでみる。
「どうですか?」
どう答えていいのか分らないので、考えているフリをして黙り込む。
「カンパリを入れてからジンを入れた方は、飲めたもんじゃないでしょ?」
確かに味は違うのだが、飲めたもんじゃないかどうかは分らない。どっちも強い、って事だけは分るが
「そうですね、飲めたもんじゃないです」
と相づちを入れる。
「そうなんです。お酒には比重ってものがあって、カクテルを作る時は比重の軽いものから入れていかないと分離してしまうんです」
実験で出されたこのお酒もかなり強い。
「あのー、これから僕たちメガネをかけますので、そのイメージでもう1杯作ってもらえますか?」
さっきまでの蘊蓄が全て吹き飛んでしまうようなオファー。
でも、石原さんは快く引き受けてくれた。
■住のイメージカクテルその2「ラフロイグベース」
■林のイメージカクテルその2「ウオッカ&メイプルウイスキー」
僕のカクテルはスコットランドはアイレイ島のウイスキー「ラフロイグ」と薬草、果実、はちみつが入ったスコッチウイスキー「ドランブイ」をブレンドしたもの。
「ラフロイグの特徴は潮を含んだピートを使用している点です」
「え?僕のイメージは潮ですか?」
「はい」
何故僕のイメージが潮なのか?
汗っぽいって事なのでしょうか?
「林さんは色メガネをなさっていて変わった印象ですので変わったカクテルを作ってみました」
「……」
1軒目を後にして初めて気付いた。出されたカクテルは全部飲まないと失礼にあたる。
「この取材、キツイかもしれませんね」
「確かに…」
|