愛知の実家近くで「日本一大きなサインポールのあるお店」という看板を見かけた。日本一と宣言するからにはさぞかし大きいのだろう。期待して行ってみたら、それはもう驚きでした。
(安藤 昌教)
これか?
日本一大きなサインポールのあるお店、という看板を見つけた。隣には確かに床屋のサインポールが回っているけどそれほど大きいとは思えない。どこにあるんだろうと思い矢印の指すほうへ曲がってみた。
するとそこにはどこか違和感のある風景が。日本一のサインポールってもしかしてあれのことだろうか。
間違いない
ここヘアーサロンイヌカイはサインポールが風車みたいになっている店でした。ここまでくると確かに日本一大きいサインポールに違いない。なぜならこれより大きなやつを作ろうとする人なんていないと思うからだ。
それにしてもイヌカイってどこかで聞いたことがある名前だ。近所だからだろうか。
「すみません、ちょっと写真撮らせててもらってもいいですか」お店に入っておばちゃんに聞くと「あら、石丸(僕の家付近の地名)の安藤君よね」と。あれ。
入るまで気がつかなかったのだけど実はここ、僕が中学まで通っていた床屋だった。区画整理のために移転していたのでまったく気がつかなかったのだ。どおりでどこかで見たことのあるおばちゃんだと思った。それにしてもまさか僕のことを覚えていてくれたとは。
垂れ幕もすごい
「うちはね、サインポールもすごいけど垂れ幕もすごいのよ、安藤君」おばちゃんは言う。
「だけど今日は揚がってないですよね」と聞くと「暇な時に揚げるのよ。あんた揚げて来ていいわよ」と。
せっかくなので自慢の垂れ幕を揚げさせてもらった。
「今ならすぐできます」
そうか、おばちゃんが「暇なときに揚げるのよ」って言っていた意味がわかった。
驚きでした
日本一大きなサインポールとおばちゃん自慢の垂れ幕。どうしてこういうことになったのかと聞くと「サインポールをまとめて8本売りたがっていた営業マンの知恵」とのこと。でもおかげでこれを見て入ってくれるお客もたくさんいるのだとか。
日本一大きなサインポールは確かにすごかった。だけどそれよりも10年以上ぶりに会ったおばちゃんがまったく昨日のことのように僕のことを覚えていてくれたことに驚いたのでした。
アーサロンイヌカイ
愛知県大府市若草町1−15 電話0562−46−6508