ネットサーフィンをしていたら奇妙な住所表記を見つけた。
無番地
しかも東京にだ。番地がないのか。
そんな規格外な住所が東京にあるなんて。網走番外地のような響きを持つその場所に行ってみたい。寂寥とした土地だろうか。道のりは厳しいかもしれないが、無番地に惹かれた僕は電車に飛び乗った。(林 雄司)
はい、つきました。
大げさな書き出しがわざとらしかったが、無番地は四ッ谷にあるのだ。家から30分でついた。
新宿区四谷1丁目無番地
僕は土木学会という団体のホームページでこの表記を見つけて興奮していたのだが、調べてみると以下の3ヶ所が無番地であることがわかった。
・土木学会(ここに住所が) ・外濠公園 ・JR四ッ谷駅(ここの上から3行目)
(→周辺地図)
四ッ谷駅というビッグネームまで無番地に含まれていたのだ。無番地はいったいどんなところなのか、見てみよう。
わかっていたけどね
住所が無番地というだけで、特に珍しいものがあるわけじゃないのだ。外濠公園はしかも災害時の一時避難場所である。(リンク・13番目に注目)。
無番地、さわやかなうえに頼りになる。
駅も無番地だ
四ッ谷駅で無番地のかけらを探して歩いてみることにする。
ちなみに駅構内のコーヒーショップも無番地(このページのやや下に無番地の表記が)。喫茶「無番地」という名にしなくて正解である。
無番地 イン マイ マインド
公園に行って、喫茶店でサンドイッチを食べて。これじゃあまるで四ッ谷駅周辺のお散歩じゃないか。
いや、それが正解かもしれない。無番地は地図の上での話であって、そこにはふつうの人々がふつうに暮らしているのだ。現地に行ってこそわかる事実である。
地図を見てもだいたいわかるが。
川だったから?
四ッ谷駅も外濠公園も外堀川(江戸城の外堀)を埋め立てて作られた場所である。外堀を埋め立てた土地は銀座のあたりに境界未定の地域があったり、ややこしいことになっているようだ。
埋め立てにより、街のなかにいままでなかった土地が現れた混乱が無番地や境界未定とし表出している、のではないか。
都市の闇。秋のおでかけは無番地で決まりだ。いや、決まりですって。