
もしかしてこの服、派手?(モデル:出口治明 ライフネット生命保険 代表取締役社長)
マネキンが着ている様子はかっこよかった。あれと同じシャツを買ったはずなのに自分が着てみるとずいぶん違う。これはあれだ、きのう飲み過ぎてむくんでいるからだな、そう思って翌日着てもまた違う。
また似合わない服を買ってしまった…。クローゼットにたまるおかしな服。こんどから気をつけようと思っても人間(僕)は学習しない生きものなのでまた繰り返してしまう。
失敗を避けるのではなく、失敗しても救済されるしくみを考えるのはどうだろうか。そうだ、保険だ。(文・林雄司/写真・安藤昌教)
林雄司(はやしゆうじ)
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。
つい黄色やオレンジの服を買ってしまってタンスがみかん畑みたいな色になっています。
質問したのはライフネット生命保険
似合わない服を買ってしまってもそれを補償してくれる保険があったらどんな商品になるだろう。質問したのはライフネット生命保険である。
ライフネット生命保険といえばかつての記事「ハトが選んだ生命保険に入る」でも炎天下の河原で数時間つきあってくれた会社である。似合わない服保険についてもきっとやさしく教えてくれるだろう。
2年前、35度を超える河原で3時間の撮影
そして今回。すいません!またへんなことさせて(この状況については後述)
話が決まってから人に指摘されたのだが、似合わない服保険は損害保険だった。ライフネットは生命保険だ(損害保険はクルマがぶつかったりしたときに払われる保険、生命保険は死んだり病気になったときに払われる保険、って書かなくても僕以外は知っているか)。
自慢ではないが僕は飲食店の取材でお店の人に「これ豚肉ですか?」と質問して「いいえ牛肉です」と言われたことがある。保険も肉も等しくわかってない。
似合わない服のための3つの要素
今回お話を伺ったのはマーケティング部 松岡さんと川端さん。そして本編を通じてモデルを演じるのは出口社長である。
それ損保だよ!とは言わずに教えてくれた
−−−似合わない服保険ってできますか?
松岡 「毎月の保険料を決めるためには3つの要素が必要になりますね。
(1) 似合わない服を買う頻度
(2) 似合わない服を買ったときの損害額
(3) どれぐらい補償するか
という3点です」
………これぞジャストアイデアという企画だが真剣に検討してくれている。自分で頼んでおいてちょっと申し訳ない気持ちになる。でもおもしろい。
保険料は年齢と性別によって変わる
松岡 「似合わない服を買う頻度は
『服を買う回数×失敗する確率』
ですね」
年に10回服を買う人が1/10の確率で失敗すると、似合わない服を手に入れる頻度は年1回ということになる。松岡さんが要素を以下のように図解してくれた(背景の写真は林が追加)。
似合わない服保険を考える上で必要な要素
−−−服で失敗する回数より、まずは年齢や性別によってもともとの服を買う回数が違いますよね
松岡 「生命保険は加入者の年齢と性別が基本なんですが、この場合も年齢や性別が情報として必要ですね。
似合わない服を買う確率は年齢と性別よりもその人の慣れに関わります。」
川端 「年間何回も失敗する私も入れます!という似合わない服保険があったら…」
松岡 「 超高いですね」
イメージ:ある日のライフネット生命
(打ち合わせ中)
「社長の出口を紹介します」
ガラッ
ガラガラガラッ
社長の、出口です
ギャッ!(写真は全てフィクションです)
具体的な商品企画にはいる
−−−洋服の値段ってピンキリだから補償金額をきめるの難しいですね。
松岡「ええ、おそらく実損填補(じっそんてんぽ)で上限をつけると思います。」
−−−実損填補というのは?
松岡 「損害保険には定額補償と実損填補というふたつの考え方があるんです。定額補償は支払金額がきまってる商品。実損填補は損害の額に応じて支払うものです。
例えば車の事故にあった時に5万円の定額補償に入っていたらどんなものにぶつかっても5万円、でも実損填補なら3万円ぶんのダメージだったら3万円、10万円だったら10万円と損害の額に応じて払います。
−−−買った服の金額をすべて補償すると保険会社が損しませんか
実損填補の場合でも上限をつけたりもします。似合わない服保険も、おそらく実損填補で上限をつけていくのが現実的な気がします」
実損填補でヨロシク!
白いスーツを着こなしてしまった出口社長
似合わない服ということで白いスーツを持ってきたのだが、出口社長が意外に着こなしてしまった。
林:「これ着てください」(きっとおもしろいに違いない、ぐへへ)
出口「どうですか」
林「……(なんで似合う)」