宇都宮のB級グルメといえば、まず思い浮かぶのが餃子ですが、最近では「宇都宮焼きそば」というのもグイグイ勢力を伸ばしているそうです。
餃子一強と思われていた宇都宮の地で奮闘する焼きそば、一体どんな特徴があるのでしょうか?
(絵と文:北村ヂン)
宇都宮は焼きそばの町だ!?
先日、別の企画の取材で栃木県宇都宮市に行ってきました。
この餃子像、「おまかせ!山田紹介」っていうテレビ番組の企画で建てられたものらしいですね
宇都宮といえばやっぱり餃子! ……ですけど。
宇都宮餃子は何度も食べたことがあるし、今回はちょっと変わったものが食べたいなと思い、タクシーの運転手さんに訊いてみたところ
「宇都宮は餃子屋さんだけじゃなくて焼きそば屋さんも多いんですよ」
とのこと。ほほー、焼きそば。宇都宮に焼きそば屋が多いなんて知りませんでしたよ。こりゃネタになりそうだわい(いやらしい)。……ということで宇都宮の焼きそば屋さんを巡ってきました。
最初にやってきたのは、宇都宮で最初にできた焼きそば専門店「石田屋やきそば店」。
なんと50年以上もの歴史があるそうで、タクシーの運転手さんによると「このお店が宇都宮焼きそばのスタンダード」とのこと。
専門店の証、ドーンとひるがえる「やきそば」のれん
そういえば、お好み焼きなどと一緒に焼きそばを扱っている店はよくありますけど、焼きそば専門店って東京じゃ見たことないな。50年以上もつづく専門店の焼きそば、はたしてどんな味なんでしょうか。
昔懐かしい定食屋風の店内。でも、メニューはもちろん焼きそばオンリー!
具と量ごとに細かく分けられ、値段表がエクセルみたいになってます。
おすすめは一番下の「石田屋特製ミックス」とのこと。肉・ハム・玉子・野菜と、全ての具が入った豪華な焼きそばなのに「肉・ハム・野菜」「肉・玉子・野菜」よりも値段が安く、「肉・野菜」と同じ値段設定となっています。どういうことなんでしょう?
ま、いずれにせよ超オトク! ミックスを頼まない手はないでしょう。
焼きそばならカンタンに作れるだろ
やってきました、家庭的な雰囲気あふれまくる焼きそば。ま、見た目はごくごくフツーですな。若干めんが太めなのと目玉焼きがのっかってるのくらいが特徴でしょうか。
ところがひとくち食べてみると……うん、味もフツー。
太めんはフワフワ、キャベツもクタックタに柔らかくなっていて美味しいは美味しいんですけど、味つけにインパクトがないといいますか。いまいち印象の薄い味。
すると店員さんから「ソースをかけて食べて下さいね」というアドバイスが。
ソース?
どうやらこの石田屋特製ソースが味の決め手となるようです。
最初の段階ではわりと甘めの味つけで作ってあるので、好みに応じてそこに特製ソースをぶっかけて食べるのが宇都宮流なんだとか。
それでは、と特製ソースをドバドバ投入。
特製ソースで辛く味付けられて、薄らボンヤリした印象だった焼きそばがガツンとくる味に変貌!
さらに、七味とうがらしやコショウを入れるのもアリ!
とにかく自分好みの味にカスタマイズして食べてね! ってことなんですな。
そして普通、焼きそばの薬味といえば紅ショウガですが、こちらのお店ではガリ!
紅ショウガよりもあっさりした味わいで、とかく重くなりがちな焼きそばをさっぱりとまとめてくれていて、コレは他の焼きそばも真似するべき! というくらいすごく合います。これぞ焼きそば専門で長年やってきたお店の味でしょう。
ところで宇都宮初の焼きそば専門店という石田屋さん、どういう経緯で誕生したんでしょうか。
おおう、宇都宮焼きそばの元祖となるお店誕生のきっかけが「カンタンにできるかな」だったとは……。
そんなライトな感覚ではじめたものの、「こっちは家で作れるものに金払ってるんだからな!」などとお客さんに怒られながら試行錯誤し、現在の味を作り上げたんだそうです。
●石田屋やきそば店 栃木県宇都宮市中央5-8-9 【電話】028-634-6945 【営業時間】10〜17時30分(売り切れ次第終了) 【定休日】水曜日(月に一度連休アリ)