東京の猫の町「谷中」に「猫が13匹いる居酒屋」があるらしい。
おおまかな情報をたよりに探してみると、たしかにその店は存在した。
(ほそいあや)
調べても出てこない
数カ月前、友人にそんな店があると聞き、ネットなどで調べたが全く手がかりが出てこなかった。友人も詳しくは知らないらしく、おおまかな場所の地図を送ってくれただけだった。 だいたい飲食店でそんな事が許されるのか?色々とナゾが深まる。
猫にさそわれて
ある日、裏の方の細い道を歩いていた時だった。一匹の猫が前を横切り、反射的に目で追うと小さな横丁に入っていった。その横丁の入り口に立つと、猫の匂いが鼻を突いた。もしかして。
みつけた
猫が入っていったのは小さな飲み屋だった。まだ昼間で営業はしているかんじではなかったが、引き戸が半分開けられ猫が数匹出入りしている。入り口にはキャットフードが盛られている。ここに間違いない。
おかみさんが奥で作業をしていたので営業時間を聞いてみると「店は6時くらいからやってるけど、猫がいるから私は朝からここにいる」との事だった。朝ご飯をやるために早朝に家を出てくるらしい。
日をあらためて訪問
その日は場所の確認ができた事に満足して帰った。正直言うと、そんな店があったら半分夢みたいな話だと思っていたので、つきとめただけでやり遂げた感がみなぎってしまった。いやだめだ、レポートしなくては。
後日、友人を誘い訪れた。開店直後だったがすでに常連さんが3人ほど飲んでいた。
こういった小さな店はいちげんさんはなかなか入りづらいけど、ここに限って言えば「猫が好きならウエルカム」の雰囲気が漂っていて安心する。
急に色めきだつ猫。
よくみると猫。
どの猫も初めての人を怖がらずに接するので、接客業を心得ているのだと思う。
店の奥には急な階段があり、そこを猫が上ったり下りたりしているのを気になって見ていたら、「上にも他の猫がいるから見ておいで」とおかみさんが促してくれた。