「今月の見てきてジャーニーどうですか?」編集部の石川さんから打診を貰った時に、「大阪に行きたいです!」と即答していた。
僕は4月に埼玉に引越したが、その前は1年間大阪に住んでいたのだ。だんだん大阪が懐かしくなってきた。大阪は僕にとって弟二の故郷のようなものだ。
見てきてジャーニーとは? 「ちょっと見てきて」のなかで、なかなか見てきてくれないところを、デイリーポータルZのライター陣が旅をしながら見てくる企画です。
(斎藤 充博)
20件はみてこれるのではないか
僕は大阪で、外回りの営業をしていた。 なので、大阪市内の地理に関しては、それなりに詳しいと自負している。
4月に会社を辞めて埼玉県に引越してしまったが、自分が必死でやっていた仕事のスキルというものはそう簡単に消えるものではないと思う。
1日で市内の「見てきて」は、ほとんど消化してしまうだろう。プロの手にかかれば、今回は簡単な案件である。
約20年前によく行っていました。なんこつやホルモンサンド(ホルモンを焼いた薄切り食パンではさんだやつ)ホルモンスープなどとにかく安くてうまかった貧乏学生の溜まり場でした。店主の三線を聞きながら薄暗い明かりの中での飲み食いをふと思い出しました。今はどうなっているのかまったくわからないのでどなたか私の代わりに見てきてください。お願いします。
事前に行った場所の選定で、今回は「食べ物縛り」にしてみた。そのくらいの縛りがないと、プロにとってユルすぎる。そして、「大阪食い倒れ」なんてなかなかキャッチーな企画にもなる思う。1件目は「ホルモンの屋台」に行ってみよう。「なんこつホルモンサンド」なんて気になるじゃないか。
碁盤の目のような大阪市営地下鉄をジグザグに乗り継いで、関目高殿駅に。そこから歩くこと50分。50分?そう、のっけから道に迷った。
あ、印刷した「見てきて」のページをよく見てみると、「20年前」って書いてある。20年前の屋台!それは見つからないような気がする。それでも未練がましく近くをウロウロしていたら、貴重な証言を得ることが出来た。
たこ焼きやのおばちゃんと (なんでこんなポーズしてるんだ)
こういうことらしい。 7〜8年前、大阪市が大規模に屋台を撤去したことがあった。このホルモンの屋台も、場所を微妙に変えながら営業していたものの、結局は撤去されてしまったそうだ。それからの消息は聞いていない。たぶん仕事自体をやめてしまったのではないだろうか。それにしても子どもたちからはすごい人気だったわー(二人から、ほぼ同じ証言がとれた)
屋台はなくなっていたが、人々の記憶にはしっかりと残っていた。ホルモンサンドは食べられなかったけれども、焼き鳥もおいしかったですよ。