「○○で検索してください」っていう広告をよく見る。登場したのはほんの数年前のことだと思うが、以来あれよあれよといううちに広がっていって、今ではすっかり一般的だ。
ところで、あの検索ワード、ふと気づくと昔とずいぶん変わってきてないだろうか。長くて変わったフレーズが増えてきた。そんな気がするのだ。
(text by 石川 大樹)
しらみつぶしに収集した検索ワードを紹介します
僕が生活の中で広告をよく見かけるのは電車の車内だ。今回も電車広告に的を絞り、1週間にわたって各線の車内広告をしらみつぶしに調べた。
そしてその中から、僕が「ん?」と思った検索ワードを紹介していこうと思う。
と、その前に、比較のために僕が「元々はこういうのだよなー」と思う検索ワードを先に紹介しておきたい。
だいたい4文字〜5文字くらいで、略語だったり造語だったり。というのが僕の持つ検索ワードのイメージだ。覚えやすくて、脳みそのすみっこに置いたまま簡単に持ち帰れる感じのもの。
しかし今回の調査によると、これはいまや少数派だったのだ。結果からいうと、ずいぶん長かった。それについては後ほどご紹介しよう。
検索ワードつきはだいたい3割
広告の数は路線にもよるが、たとえば山手線なら1車両で140枚もの広告があった。うち「検索してください」があったのは42枚。ちょうど3割くらいだ。
東京メトロの有楽町線は、広告の数が90。うち「検索してください」は28枚。こちらも3割をちょっと越えるくらい。「検索してください」はだいたい3割なのだ。
そのうちから、とくに「変わってる!」と思ったものを紹介します。
検索ワードは誘ってくる
ぱっと見でまず心に飛び込んでくるのは、これ。文章になってるパターン。検索ワードって、単語だけが無機質にゴロッところがってるイメージだが、それが文になるだけで妙にフレンドリーに感じられるのだ。ただの丸い小石とダンゴムシくらい違う。
そしてダンゴムシたちは、なぜか見る人になにかを誘いかけてくることが多い。
漢字が重い
一転して、フレンドリーさを廃し、単語の持つ重さを極限まで追求したのがこのパターン。覚える気がなくても脳にずっしりとのしかかる。電車乗って家に帰ってからなんか胃もたれするなーと思ったら「そういえば電車で見たあの広告のせいか」と思いあたり、検索せざるをえない、そんな感じの検索ワードが並ぶ。
漢字のせいで文字数あたりのタイプ数が多く、検索の折にはそれがまた、重いのだった。