河原で一人
プラカードの集団を撮影するためには、 前後でかぶらないように段差のある場所で撮らないといけない。 段差といえば自分の中では河原なので河原にやってきた。個人的に東京の河原で撮影するのは初めてだ。
ちなみにこの日の気温は33度。しかも河原には男女の若者グループが大変に騒いでいて、 地獄の様相を呈していた。
27人の自分と息を合わせる
このガンバレコヤナギの文字を見つつ、プラカードを回す動画を 位置をずらしながら人数分撮って合成する。
本当ならそういう作業は、スタジオで合成用の布を背景にして人物だけを抜き、 パソコン上で位置を調整しながら複製する方が質も効率もいいのだが、 実際の応援団が汗と涙の練習を重ねてやっているのを考えると、 こっちもそういう部分のリアリティにこだわりたいのだ。
あとプラカードを回す(文字が変わる)タイミングは3秒ごととしたので 具体的な撮影の手順はこんな風。
応援団がストップウォッチを使ってない(はず)ように、 こちらも脳内カウントだけで数を数えている。 なので27人全員と想像だけで息をぴったり合わせなければいけない。 合成するまでタイミングがあってるかどうか全然分からないから超むずかしい。
でも全員自分ならカウントの速度も常に同じなはず。たぶん。
自分の向いてる方向、つまりプラカードの掲げてる先には猿山の猿のように騒ぐ男女がいる。
つまりいま自分はあの若者らにたいしてガンバレコヤナギと メッセージを送ってるわけで、言葉の送り手も受け手も間違っている。
そんなことをグジグジ言いながら27人分の動画を撮った。
熱さと若者の二重地獄に意識が朦朧としながら撮ったので このときの様子はあまり覚えていない。というより意識が飛んでた。
ちなみにこの画像にはヘルマン格子という錯視現象( 写真の溝に黒い点が見える)が現れてます。